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<オムニバス> 女性向けイメクラ店「Desire」にハマる女たち

筆者 : 鰹のたたき(塩) / 種別 : 中編 (ページ容量 : 66.5KB)
投稿日 : 2024/06/20(木) 01:28 / 更新日 : 2024/10/18(金) 00:32
  • あらすじ

  • 『Desire(デザイア)』

     それは、「願望」「欲望」「要求」などを意味する英単語で、なおかつ、某歓楽街に最近オープンしたイメクラの店名である。
     少し変わり種の店として、今、ある界隈でひそかに知名度を上げているそのイメクラ…何が変わり種かというと、説明に要するのはただ一言、「女性向け」なのである。
     いわゆる『女性用イメクラ』。
     女性用風俗というものが少なからず市民権を得るようになった昨今、それの派生版といってもいいだろう。
     オーナーは、かつて様々なイメクラを渡り歩いたという遊び人。
     その彼が、これまで体験したイメクラの中で最も傾倒した“あの店”で得たノウハウを元に絵を描き、そこに『発想の転換』というスパイスを振りかけて開業した新感覚風俗店。
     オープン当初は同業者から散々バカにされた。
     初回の物珍しさだけでリピーターなど来る筈がない、まさに「一発屋」の典型だと揶揄されたりもしたが、そんな周囲の嘲笑に辛抱強く耐え、その間もオーナーが敬愛してやまない“あの店”に倣って、とにかくクオリティファースト、シチュエーションの再現度を細部までこだわって営業した。
     その結果、どうだろう。
     営業実績が、現在、凄まじい伸び率で二ヶ月連続アップ中。
     気付けば、女性向けの店でありながらこの歓楽街の人気トップ5に食い込み、連日、客が絶えない。
     さらに先日はウェブ広告の取材も受けたことでまた新たな反響が見込める他、これはプライバシーに関わることなので大きな声では言えないが、某国民的有名女優がすっかりハマってしまい、お忍びで毎週のように通い詰めるほどヤミツキになって、今、仕事が手につかない状態というウワサもオーナーの耳には届いている。
     それに関して、
    (ほら見たことか!ギャーギャー騒いでた連中は、一度、謝りに来たらどうだ?)
     という気持ちも少しはありつつ、そんなのはもはやどうでもいい。
     それよりもオーナーが追い求めているのは、さらなるサービスの向上。
     もはや崇拝の域に達している“あの店”に少しでも近づくため、周囲の雑音には見向きもせず、ただひたすらに高め続けるクオリティ。
     そんないぶし銀に徹した結果が、連日、開店と同時に座る場所が無いぐらい混み合う待合室。
     こうして今夜も、非日常的なシチュエーションを求めて悶々とする女性客が次から次へと押し寄せ、女性用イメクラ『Desire』は大盛況である。
  • 本編目次

    • ※登場メンバーについては作者の気まぐれです。

      (そこまで長続きするシリーズでもないと思いますが)一応、定番の坂道、48G、イコノイジョイ他、僕青とかも使うならここかな、って感じです。
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