人生最大の大失態
筆者 : 牛丸Z
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種別 : 短編 (ページ容量 : 11.8KB)
投稿日 : 2013/11/12(火) 14:25
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更新日 : 2016/02/13(土) 20:41
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全てはここから狂い出したんだ…… |
結局その後警備兼大島涼花のマネージャー代理になってしまった俺。しかし更に面倒な事に巻き込まれる…… |
「――だからよお!俺は騙されたんだよ!金がどうしても必要だからちょっと脅せば……って言葉に釣られたんだっつうの!」 男の必死の弁明を静かに聞く刑事。そう、ここは刑務所内の取調室。 そして男の弁明を聞き終わると先程から静かに聞いていたがたいの大きな刑事が口を開く。 「本当に、組織については何も知らないんだな?」 確かめる様に聞く刑事。体を乗り出し聞いているからか、男は少したじろぎながらも喋り出す。 「そ、そーだよ。ちょっと脅せば金をくれる約束が、誰か一人でも殺さないとお前を殺すって言われたの!」 「これでまた、振り出しですね金子さん……」 がたいの大きい刑事が、横にいる刑事に話し掛ける。 「ああ、『レッドジェノサイダー』の足取りはまた掴めなかった訳だ」 金子刑事は下唇を噛み、怒りに体を震わせていた。 |
大島涼花と関わる事になってから早1ヶ月が経った。 「タックン、今日の予定は?」 「えーっと、今日はAKBINGOの収録とライブのレッスンだ」 ……いやもうね、俺がコイツに関わったからコイツのマネージャー代理やってるのは分かるけどさ、別にやらなくても良かったんじゃね? てか19歳のパンピーにマネージャー代理やらせるって普通ダメだろ……。 まあ、そんな事言っても戻れないし寧ろ感謝する立場だからやる事やるけど。 「……いつまで準備してんだー?遅れるぞ」 「分かってるよぉ」 やれやれ、やっぱり女に待たされるのは性に合わんな。 そして結局その後十数分待たされた……。 ―AKBINGO収録中 「アイツ、素は真面目で恥ずかしがり屋なのにテレビになると途端にクソガキになるよな……どこでそんなスイッチに入れ替われるのやら、全く」 関心する程のスイッチの入れ替わり。やはりAKB自体は嫌いだが大島涼花だけは普通に見れる。 何でかは、俺自身も分からないけどな。 気が付けば俺は大島涼花をじっと見ていた。最近のAKBは熱愛発覚だの主要面子の相次ぐ卒業(これは俺にとって全く関係無いが)だの、マンネリ化だの良い話を聞かない。 良い話を聞いたからと言って俺には関係無いが、大島涼花には関係が大いにある。 まだ15歳。中学生のアイツにはAKBの未来が掛かっている。 俺の、アイツに対する依怙贔屓(えこひいき)と言われれば全くその通りな訳だが、1ヶ月側に居て「アイツにはAKBを変える事が出来るんじゃないか?」と思う様になった。 これで後は自分の意志を強く持てさえすればな……素だと結構優柔不断だし。 少しは片山陽加を人間の手本にしてほしいものだ。 因みに片山陽加に関してはこの件に関わる以前から知っており、AKBとしてどうかと問われると『弄る価値も無い空気みたいな存在』だが人間として見れば『努力は認めるし、上に対しても動じず物言いが出来るのは人間の鏡』だ。 片山陽加みたいな人間もそうそういないよな、今の世の中にも。 だからこそアイツには見習ってほしいと、マネージャー代理として思う。 |