彼女、取扱注意。




































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§第7章§
訪れる明日を恐れて。
その後、僕と彼女はウインドウショッピングを楽しんだ。
…と言いたいのだが…

隆治「…1日でこんなに買うかな…」

玲奈「だって、可愛いのが沢山あるし…りゅーくんが似合うって言ってくれるから!アハハッ♪」

そ、それは…
彼女が容姿端麗なために何を着ても似合ってしまう。
そのために僕は今現在両手に多くの荷物があるという現状になってしまったのだ。
最後の店から出ると空はすでに茜色に染まっていた。

玲奈「りゅーくん。…今日はありがと。」

隆治「え?…うん。急にどうしたのさ?」

彼女の急なお礼が何か不安を感じさせる。

玲奈「その洋服…りゅーくんが持っててくれないかな?」

隆治「え?」

玲奈「今日は本当にありがとう!…じゃあね。」

そう言うと彼女は走り去ってしまった。
…気のせいか、彼女の瞳が潤んでいた気がする。
…明日は辛い思いをする、か…
彼女から託された荷物を持って帰り、自宅で明日について考えていた時だった。

ピンポーン。

こんな時間に客人?
疑問を持ちながらもインターホンを覗く。
…ラッパッパ部長。
…なんで家場所を知ってるかはこの際聞かないでおこう。

ガチャリ。

隆治「…どうぞ。」

おたべ「玄関口で構わへんよ。…ウチは制服、取りに来ただけやから。」

隆治「制服…ああ、玲奈の…」

おたべ「玲奈…それがゲキカラの名前なん?」

そうか…ずっと彼女はゲキカラだったんだ。
名前を知ってる方が不思議、か。

隆治「うん、彼女の名前。…名字は分からないけど…名前は玲奈だよ。」

おたべ「そうなんやね…。制服、持ってきてもらってええですか?」

あ、そうだった。
そのために彼女は来たんだったな。

隆治「ちょっと待ってて下さい。」

彼女の制服を綺麗に畳むようにしてから紙袋に入れる。
…これを着たらまたゲキカラに戻るのか…
玄関口に戻って部長に紙袋を渡す。

おたべ「…おおきに。昼間は…ごめんな。…ウチも考えとる事があるから…」

隆治「考えてる事…?考えてる事があるからって玲奈は辛い思いするのか…?玲奈は今日だって…!」

おたべ「…なぁ。…アンタが学園を公正したい理由…なんなん?」

声を大きくすると彼女が言葉を挟んだ。
…分かってる…
目の前の彼女の顔見たら…
…とっても悩んでることくらい…

隆治「編入前の学校の上部の人間からの命令、それだけだよ。」

おたべ「………………。」

隆治「…ずっとそのつもりだった。…でも今は!…今は玲奈を喧嘩から、ゲキカラから、ラッパッパから引き離す為に僕はマジ女を公正するつもりだ!」

目の前にいるラッパッパ部長に少し声を荒らげて伝える。

おたべ「アンタ、気に入ったわ。…せやけど…」

彼女に胸ぐらを掴まれる。
彼女の闘争心にも火をつけてしまったらしい。

おたべ「…喋りすぎや。それ、ウチの部員引き抜きやろ?…喧嘩売ったのと同じやで。」

そう言うと彼女は掴んでいた胸ぐらを離してくれた。

おたべ「ゲキカラという顔も、その…玲奈という顔も。どっちも彼女の本質やと思う。」

違う。
…彼女の好意は僕の能力で…

おたべ「あんまり彼女を悩ませたらあかんで。…明日、遅れんようにな。…あと。」

…あと?

おたべ「…あんたならこの試練、越えてくれるの…信じとるからな。」

そう言うと彼女は僕の家を後にした。
…試練、か…

■筆者メッセージ
のんびりさせるはずだったゲキアマもとい玲奈ちゃんとの休日編…
殺伐とした流れにしてしまいました。
次回は8章になります。
ラッパッパ本拠地、みたびです!
こらるめんて ( 2013/10/04(金) 21:41 )