彼は無口で無愛想で、だけど頼れて優しくて。

























































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§プロローグ§
03
「…失礼します。」

「ああ!花京院君待っていたよ、座って座って。」

翼は彼の機嫌を見ると、平静を装いながら部屋に置かれているソファーへと座る。
上司が機嫌が良いと自らにロクな事が起こらない。
何度も経験した事もあってか、翼の頭にはそのような事が浮かんでいた。

「今の仕事場はどうだね?」

「ええ…やり易く仕事をさせて頂いています。」

声色を変える事なく翼が答える。
事実、人と関わるより黙々と仕事を行う方が自らに向いていると考えている翼には現在の仕事は気楽に行えるものであった。

「だけどね…今の上司がね、君を扱い辛いって。君の力量に合わないみたいだね。」

彼の反応には満足したような表情を見せながら、秋元は笑みを浮かべて言葉を続ける。

「…では…」

「ちょっと花京院君の配置を変えてみよう。…ああ、そういえば…」

秋元の話を聞くも、彼の考えが読めずに翼は頭の中で次の仕事がどのようなものになるのかを考える。

「…今度の握手会の“剥がし”が足りなかったんだったな。」

彼が笑いながら口にした言葉に、翼は考え事を中断せざるを得なくなり秋元に視線を向ける。

「…プロデューサー、お言葉ですが…」

「ああ!花京院君は彼女達と顔を合わせるのは避けたい、ということだったね。」

「…はい。…自分勝手な我が儘を申し訳ありません。」

焦りを感じさせないいつも通りの冷静な声色で彼に言おうとするも、秋元の次いだ言葉に翼は少し視線を落として謝罪する。

「ふふふ…安心したまえ、花京院君。」

「…プロデューサー?」

「…用意している良い考えがあるから。」

彼の言葉に背筋がひやりとする翼であったが、敏腕プロデューサーは自信満々に笑いながら言葉を続けた。

■筆者メッセージ
拍手、コメントありがとうございました(礼)

翼くんまたまた無茶振りを受けそうですね(苦笑)
どうやら彼を振り回すのはメンバーのみならず上司も、なようですね。
プロローグもようやく終わりです。
あんた誰?って人の会話が終わってやっとメンバーが出てきます。
つぎの更新をお待ちください(礼)
こらるめんて ( 2014/04/07(月) 16:53 )