5話
数時間が経ち、勉強をやめて前のビーチでバーベキューをしていた。
「生歩あーん」
「あーん」
生歩は言われるがまま口をあけ、肉を食べた。
「ありがとう由紀」
「うん美味しかった?」
「うん」
彼女の名前は柏木由紀実は中学の時から付き合っているらしい。
「あのやろー付き合ってたのかよ!」
「羨ましいぜ!」
「カズもそう思うか」
「おう!」
彼の名前は鈴木カズ。
彼を一言で表すとなるとお似合いの言葉がある。それはエロいということだ。
そんな彼も好きな人がいる。
「カズ〜それとって」
「うん珠理奈」
カズが好きな相手というのは珠理奈で、珠理奈の前ではエロいという彼の特徴がなくなってしまう。というのもカズは元々は真面目な性格で、授業中や先生が話しているときは決して無駄話をすることはないのだが授業が終わればいつものカズになる。
「あいつも楽しそうじゃねえか」
光矢はカズを妬ましい目で睨んだ。
「ほらほらみっちゃんはよ手伝ってや」
声の聞こえる方向を見ると彩がいた。胸が高鳴る。
「わかったよ。なにやればいい?」
「あ、そうや 一緒にこれ切るの手伝ってくれへん」
「うんいいよ」
光矢は彩の隣に立った。
「みっちゃんは好きな人おるん?」
「す、すすす好きな人?」
光矢は突然の質問にテンパってしまったがすぐに気を取り直す。
「いないっていったら嘘になるかな」
「へえどんな子なん?」
「えっと黒目が大きくてショートヘアで、背が低くて……ってあぶね答えいいそうになったよ。彩はいるの?」
「私はおるな1人めっちゃかっこいい人がいるで」
「へぇどんなやつ」
シラっと聞いたが内心その男のことを羨ましく妬ましく思った。
「いつもはふざけてるけど部活になると誰よりも真剣で負けず嫌いで人望が厚てめめちゃめちゃカッコええ人」
「へぇそんな奴いるんだ」
「おるよ少なくても1人私の近くに」
彩はさらりと言った。
彩は昔から 光矢のことは好きだった。というのも二人は幼なじみで、昔はよく遊んだりもした。中学に入ってから急に付き合いが悪くなり、家でひとり泣いたこともあった。
中学三年の時光矢と初めての同じクラス。
光矢は昔と同じくらい仲良くしてくれた。
中学の総体の日光矢は彩を呼び出した。
「話って何?」
「あのさ彩。俺全国にいくよ」
それだけだった。宣言通り光矢は全国に行った。期待していたこととは違かったが彼らしいと笑えた。
「なあ彩」
「なに?」
「俺の好きな人当ててみてよ」
光矢は悪戯っぽく言った。
「私やろ?」
彩は冗談でいったつもりだった。
「そうだよ」
「え?」
「だから!俺はお前のこと好きなの。ってか大好きなんだよ」
恥ずかしそうに目を逸らして頬を掻きながら光矢は言った。