4話
「うわぁ…広」
零斗達男子陣は連休中宿泊する部屋を見て驚いた。光矢など開いた口が塞がっていない。
ベランダに出ると外にはコバルトブルーの海が波を音を立てている。
生歩が景色を眺めていると零斗は1人どこかに行ってしまった。
「なあ光矢」
「ん?なに?」
生歩はベランダに出て手摺に肘を乗せ頬杖をつきながら景色を見ている。心地よい潮風が吹いた。
「お前好きな奴とかいるの?」
光矢の顔がサッと赤くなる。いないわけではない。なかなか話す機会もないし第一相手が自分をどう思っているのかすらもわからない。
「い、いるけどまだ発展途上というか……お前はどうなんだよ」
「おれか?俺は……わかんねえや」
「何だよそれ」と言い光矢は生歩の隣に立った。
「こうしてると気持ちいな」
「そうだな」
イケメン二人が風に黄昏ているのを女子が見たらどう思うのだろう。そこに零斗が戻ってきた。珍しく眼鏡をかけている。
「勉強やるってよ」
「ああ」
3人は一階の談話室に向かった。談話室は既に女子たちが勉強をしている。 零斗と生歩は適当なところに座り、光矢は彩隣に座り彩に話しかけようとした。
「なぁ……いやなんでもない」
彩が凄まじい集中で勉強をしていた為言葉を飲み込んだ。
「なあ零斗光矢の好きな奴って……」
「だよな」
二人とも顔を見合わせ、どちらも意外そうな顔をした。 隣から零斗の頭にノートが降ってきた。
「ほらあんた英語のテスト範囲終わらせないと」
「ん?終わってるよ」
「あんた適当にやったんでしょ?」
呆れた顔で念のため答え合わせをする優子。
はじめはたまたまだと思って丸をつけていたがだんだん表情が驚きに変わる。
「うそ…全部当たってる」
「あれ言ってなかったっけ俺3年間アメリカにいたんだよね」
と言いにやりと笑った。元々零斗は基本的に教えられればなんでもできてしまう子だった。その為努力とうことをしたことがない。
ややあって一人目のギブアップ。たかみなだ。頭がいいのかと思ったら実はよろしくないようで机に伏していた。