1話
「対策合宿ぅ?」
「そそっ対策合宿。勉強は一人でやるよりみんなでやる方が良いでしょ?」
と優子が言ったが零斗は顔をしかめた。
そこに生歩と遥香、光矢がやってきた。
「けどよ合宿っていってもみんなが泊まる家がないぜ」
珍しくまともな意見を言う光矢。確かにそうだ。施設がなければ合宿などできない。
「私が用意します」
遥香が言う。生歩がハッとしたように言った。
「そういえば島崎の親って島崎財閥だよな」
こくりと頷く。
それなら合宿は出来そうだ。
「よっしゃ俺も参加するかな」
勉強ではなく食事目当てで行くことをに決めた零斗だった。
放課後他の友達にも伝えるためlineを送っていた。
「あっ零ちゃん」
「美優紀か。line送る手間が省けた」
と言って携帯をポケットに入れた。
「美優紀明日から勉強合宿ってのやるんだけど来るか?」
「えー!?勉強合宿?ウチはええ」
「つーかお前は強制だと」
「やだーやだー」
「どっか食いに連れてってやるから」
「ほんまー!?ならうち行くで!」
駄々をこねていたさっきまでとは違った様子で嬉しそうだ。
「ならきまりだな」
「零ちゃん嘘はダメやで」
「嘘はつかないよ」
零斗は内心いくら出費するのかヒヤヒヤひていた。