6話
「んー」
カーテンの隙間から光が差し、ベッドの上で零斗は体を伸ばしていた。そんな時だった。
部屋の扉が力いっぱい開き優子が入ってきた。
「おはよ〜」
「おはよう」
「学校行くよ」
「わかった。着替えるから少し待ってて」
優子を部屋の外で待たせ零斗は制服に着替えた。
「お待たせ」
「あ、零斗君髪はねてるよ。少ししゃがんで」
優子は寝ぐせ直しのスプレーとクシを取り出し、零斗の寝癖を直した。今日はなんだか優子の顔が赤い気がする。
「ありがとう」
「どういたしまして」
世話好きな奴だなと零斗は思った。
外に出る前に珠理奈の部屋を確認する。
案の定珠理奈はすやすやと眠っている。
確認すると家を出た。
「へっくしゅん」
「優子お前風邪ひいてんの?」
「うん。心配しないでいいよ。大丈夫だだから」
「そっか」
その時はそのまま学校に向かった。
それは授業中だった。
「なあ優子あれなんて読む……優子!」
「零斗……大丈夫だから」
優子は息を荒くして机に倒れ込んでいた。
「大丈夫じゃねえだろ!先生!優子を保健室に連れていきます」
「私は大丈夫だって」
「うるせえ黙っとけ」
優子を抱きかかえて保健室に向かった。