3話
その日、遥香は友達とショッピングに行った帰りだった。道を歩いていると前からあからさまにガラの悪い3人の高校生が歩いてきた。怪訝な顔を見られないよう顔を逸らしながら隣を通過しようとした。
「おいお前」
不幸にも肩を掴まれ相手と目が合ってしまう。
「結構可愛いじゃん。なあちょっと遊ぼうよ」
「い、嫌です!離してください」
「っ痛ぇじゃねえかよ」
振り回した手が偶然顔に当たってしまった。不良達は遥香を人気のない裏路地に連れ込んだ。
口はテープで閉ざされ手足は縛られた。今から自分は何をされるのだろうか遥香はそんな気持ちで胸が押しつぶされそうになった。
何度も「助けて!助けて」と叫んだしかしその叫びは口を閉ざされ言葉にはならなかった。
恐怖と悔しさで涙が浮かんだ。
不良の手が遥香にかけられたときだった。
「おいあんたら何やってんだ?」
そう。あの時は知らなかったが零斗が現れたのだった。