第五十九話
劇場に戻ると田島を除く先ほどのメンバーと1人メンバーが加わっていた。
「え!霊大さんどうしたんですかその傷!?」
指原が心配そうに霊大に近づく。
「犯人が依頼していた男に喧嘩売られたんだよ。」
「手当てしないと!」
「大丈夫だってこれくらい…」
「ダメです! さくらたんとはるっぴ! 多分裏に救急箱あるからとってきてくれる?」
「了解!」
宮脇が返事をしてそれに続いて兒玉もうなづき救急箱をとりにいった。
指原に傷の手当てをしてもらい、増えたメンバーと田島のことについて話した。
「そういやその子は?」
「あ! 若田部遥ちゃんです!たまたま劇場にきたんですよ!」
「はじめまして若田部です!」
「よろしくね。」
「それで…田島がいなくなった時なんだけど…」
「私たちもわからないんです…気づいたらいなかったんで…」
「そうか…しかしどうやって…」
「そういえば気を失う直前に頭に何か刺さったような痛みがしてそっから急に意識が遠くなったんです…」
「刺さったような痛み?」
「あ!それ私もありました!」
「私もです! なんかチクっとして。」
うるさい谷と村重が指原と同じ感覚を受けていた。
結果的に若田部以外のその場にいた全員に同じ感覚があったようで原因はその痛みだということになったがそれが何なのかはわからなかった。
「ところでみんなに聞きたいんだがさっき言ってた男が教えてくれたんだが38'561、100、122って何のことかわかるか?」
「なんですかこの数字?」
「多分福岡か博多に関係はしていると思うんだ。男は答えみたいなものって言ってたし…」
うーん。と首をかしげ悩むメンバーたちだがすぐ1人のメンバーがひらめいた。
「あ…これって…」
それに気づいたのは若田部だった。
「どうした若田部。なんかわかったか?」
「はい。多分これ福岡ヤフオクドームのことです。」
「ヤフオクドーム?」
「はい。この38'561っていうのが多分観客数で100は両翼。そして122っていうのはバックスクリーンまでの距離のことです。」
「なんでそんなこと知ってるんだ?」
「父が元プロ野球選手なんです。それでなんとなくですけど覚えてたんです。」
「すごいよ!よく覚えてたね!」
指原は若田部の答えに興奮していた。
「よし。そうなりゃそれ以外答えはないんだから行くしかないな。」
「私たちも行きます!」
「危険だぞ?」
「どのみち1時間たったら危険なんですから変わりません。」
「それもそうだな。じゃいくぞ!」
こうして霊大たちは福岡ヤフオクドームへと向かった。