第四十八話
「なんで…あんたが…」
「何してるんですか!?」
横にいる渡辺も驚いている。
「なんでって言われてもなぁ。俺もこっちの人間や。」
霊大の拳銃を突きつけているのは金子だった。そこには普段の優しい金子の顔はなかった。
「金っち…やめるんだ…」
「金子さん少しでも変なことしたら撃ってええからな。」
吉田から非情な指令がでた。
「わかっとる。俺も組織の人間や。ヘマするかいな。」
霊大はどうすることもできなかった。4人に突っ込み力を使いたいが頭に拳銃を突きつけられている。ましてや渡辺を1人にしたら今度は渡辺が危ない。
「くそっ…!」
「ええ顔してるで霊大君。あ、そうや!りぃちゃん。さや姉連れてきたって。」
「わかった。」
そういって近藤は山本の所へ向かった。
少しすると近藤が山本を連れてきた。山本は疲労からなのかまともに歩けていなかった。
「彩ちゃん!」
「さや姉!」
「霊大さん…みるきー…」
言葉にも力がなかった。吉田が近づき、山本の髪を掴んで床に打ち付けた。
「おい!やめろ!」
「動くなや。自分の状況考えや。」
金子はより強く頭に拳銃を突きつけてくる。
「さて。ケイラとふぅちゃんはみるきーを撃って。うちとりぃちゃんはさや姉撃つから。霊大さんは金子さんお願いしますね。」
全員が小さく頷いた。そして配置につき、拳銃を突きつけた。
「あんたらが全員死んだら証拠も残らん。証言もない。つまりあたしらはこのまま生活するだけ。簡単や。」
「そんな…やめようやあかりん…」
「今更命乞い?遅いって。もう死ぬ運命なんやから。」
「じゃあさようなら。3人共。」
5人は引き金を引いた。3人は恐怖から震えている。霊大でさえ死に直面している状態ではまともになれない。
諦め掛けたその時だった…
「うっ…!」
突然金子がうめき声をだしてその場にうずくまった。
「何!?何が起きたの!?…きゃっ!」
その後、吉田達4人の拳銃が突然弾かれた。
「なんなのよ!いったい!」
すると声が聞こえてきた。
「相変わらず無茶しやがって! そういうことしてるからこんなことになんだよ!霊大!」
声のした方を見るとそこには3人の女性が立っていた。
「なんでここにいるんだよ…」