第四十三話
「お前なんでここに!?」
「なんでって、近くに来たら霊大君が心配そうな顔で立ってるから話そうと思ったら金子さん来たんよ。」
「話聞いてたのか?」
「もちろん。止めても無駄やで…」
「ダメだ。危険すぎる。」
「なんでよ!仲間が危険やのに何もできひんくらいなら死んだ方がマシや!」
普段渡辺が見せない表情に霊大と金子は驚いていた。
「後悔しないな…」
「当たり前や。」
「よし。金っち悪いけどこいつ連れて行くな。」
「わかった…2人とも無茶だけはせんでくれよ…」
「わかってる。」
霊大と渡辺はとりあえず外へでた。金子から先程の写真はもらってある。
「だけどこれだけじゃ何もわかんねぇな…」
「そやね…少しでも手がかりがあったら…」
すると霊大の電話が鳴った。
「もしもし…」
『やぁ宮澤君』
「Xチームか?」
『そうだ。手こずっているようだからヒントをあげよう。』
「ヒント?」
『あぁ。まずは通天閣に向かうといい。検討を祈るよ。』
「きれた…通天閣に行けって。」
「じゃあ通天閣やな!行こう!こっちや!」
霊大は渡辺のあとを追った。
この時霊大には変な違和感があった。何かがおかしい。身体が気持ち悪い感覚になっていたが今は山本を助けに行くことが優先だと考え、とにかく通天閣へ走った。
「藪下のこと殺したんやな。」
「だって生きてるとか予想外やし。トドメ刺したほうがええと思って。」
「まぁ間違いないよな。」
2人が喋っていると部屋のドアが開いた。
「あ、おかえり。どうやった?」
「とりあえず通天閣行かせたわ。そこからはまた指示する。」
「みるきーも一緒らしいで。」
「わかってる。あの子の力は厄介やからな。」
「最初みるきーの力知った時は焦ったよな。」
「そうそう。バレると思って!あの子の力のおかげでなんとかなったよな。」
「あの子はどこいったん?」
「さぁ?またどっかフラフラしてるんちゃう?」
「また…まぁええわ。あの子は自由な方がええやろうし」
「そうそう。そのうち帰ってくるって。」
「せやな。じゃあうちまたあの2人に指示だしてくるわ」
「行ってらっしゃい。頼むな。」
小さく頷き部屋をでていった。