第二十六話
大場がいる部屋はスタッフの中でも偉い人しか入れない場所である。近い部屋に移動させてメンバーが見てしまって騒ぎになるのをさけるためだ。
「大場…必ず犯人捕まえるからな…」
「あ! 霊大君!ここにいたんだね!」
そこに芝が来た。
「あぁ芝っち。どうした?」
「いや。変な話を聞いたんだよ。」
「変な話?」
「うん。あるスタッフが話してたんだけど…大場はあの見つかった部屋には入ってないって言うんだ…」
「…! どういうことだ…?」
「スタッフはあの部屋の横の部屋にいたみたいなんだけど…部屋のドアが開いた音も閉まった音もしてないって言うんだよ。」
「大場が先にいたという可能性は?」
「スタッフは休憩時間より先に入っているからそれはありえないよ。」
「じゃあどうやって…まさか…!」
何かを感じたのか霊大は大場の身体を触る。
「お、おい!霊大君!?」
「やっぱり…この大場は偽物だよ…」
「え!?偽物って…どうして…」
「よーく確認したらここに結び目がある。つまり…」
霊大は机の上にあったペンを大場に対して突き刺した。
"パァン!"
「大場が…割れた…」
「そう。つまりこの大場はただの風船だよ。」
「そんな…じゃあ本物の大場はどこに…」
その時先程の楽屋から悲鳴が聞こえた。
「今のって…」
「行こう芝っち!」
霊大と芝は楽屋へと急いで向かった。