第二話
「ここか…」
車から降りて来た体格の良い男はそうつぶやいた。
「しかし…宮澤に言われて来たものの相手は子供だろう? 大丈夫なのか…」
彼がそう心配していると目の前に入山が現れた。
「戸賀崎さん!」
「おぉ!入山か! そういえばお前の家は宮澤の隣だったな!」
「はい! この中に宮澤さんの弟の霊大がいますから!」
「このボロい倉庫みたいなところにか?」
「まぁ見た目はあれですけど…大丈夫ですよ」
「そ、そうか…ところで入山?宮澤の弟はどういう関係だ?」
「どういうって…ただの幼馴染ですよ?」
「そうか…今は物騒だからな…気をつけろよ…」
「はーい」
気の抜けた返事をしている入山に対して心配な顔をする戸賀崎だが今はそれどころではない。
「入山。俺は結構真剣な悩みでここに来ているんだが大丈夫なんだろうな?」
「多分大丈夫だと思いますよ?」
「多分って…宮澤の弟は何者なんだ?」
「まぁそのへんはそのうちわかります! 口で説明するのめんどくさいんで」
戸賀崎は不安を募らせながら入山についていった。