ホントの恋を見つけるまで
1章
5話
翌日


いつも通り朝起きて、七瀬と飛鳥の3人で学校に向かっていた。

飛鳥から"彼氏のフリ大作戦"は内緒と言うことを言われたので、
話の話題には出なかった。

七瀬「飛鳥?何か今日元気ないみたいやけど、大丈夫?」

飛鳥「えっ?全然!あっ!あたし今日、日直だったんだ!先に学校行ってるね!」
そう言うと、小走りで行ってしまった。


あいつ分かり易いなぁ…


七瀬「どないしたんやろ?」
「太郎、何か知ってる?」

太郎「えっ?あっ!あのー…きっと、ほんとに日直で行ったんじゃないなぁ汗?心配する事ないよ汗…」


七瀬「なら、ええんやけど…」


おれもアイツの事言えないなぁ
動揺しちまった汗








放課後・・・・・・


帰り支度をしていると
七瀬が近づいてきた。


七瀬「太郎。今日帰り空いてる?」

太郎「ん?今日?」
一瞬、大丈夫だよと言いかけたが
昨日飛鳥に言われた" 彼氏のフリ大作戦" の事を思い出し、踏みとどまった。

太郎「あっ!ごめん!今日大事な用事あって、早く帰らないといけないからまた今度ね」

そう言うと、七瀬は一瞬表情を少し曇らせ、笑った。

七瀬「そうなんや。分かった。また今度やね」


太郎「んじゃあ、先帰るから!」

教室を急いで出て行った。

健太「なーんだアイツ?そんなに大事な用事なのかね?」

麻衣「珍しいね」

健太「あっ!実は"コレ"だったりして」

笑いながら小指を立てる

七瀬「……」

麻衣(なぁちゃん…)

麻衣「健太!太郎に限ってそんな事ないよ!もしいたら、あたし達に紹介するでしょ?」

健太「冗談で言っただけじゃん」

麻衣(ホントにデリカシーがない奴ね!なんでこんな奴好きになったんだろ?)

七瀬は俯いていた。

麻衣「なぁちゃん帰ろ?」

七瀬「う、うん」

健太「絵梨花ちゃんも、帰ろーよ」

近くで、帰り支度をしていた絵梨花に話しかける。

絵梨花「うん。帰る」

絵梨花も少し落ち込んでるように返答する。








その後、太郎は妹の飛鳥と帰っていた。

太郎「で?どこで待ち合わせしてんの?」

飛鳥「駅中のお店」

太郎「作戦うまくいくかね〜」
首を傾げると

飛鳥「うまくいかないと困る!お兄ちゃんもしっかりやってね!」

太郎「分かったって」
太郎(何も起こらなければいいけど)


待ち合わせの店で待ってると
小声で
飛鳥「お兄ちゃん。きたよ。」

太郎「はーい。」

1人の男子が近づいてきた?

「飛鳥ちゃん。お待たせ。この人が彼氏さん。」

飛鳥「うん。学校の先輩」

太郎「どーも」

「そっか、ホントだったんだね。でもおれ、諦めずに飛鳥ちゃんの事待ってるから」

そう言うと、すぐ去ってしまった。

太郎(行っちゃった。何か呆気ないなぁ。)

飛鳥「ハァ〜、何とかうまくいったね」

太郎「なぁ飛鳥?」

飛鳥「なに?」

太郎「すごく、いい子じゃんイケメンだし、誠実そうだしなんで付き合わないの?」

飛鳥はため息をつく

飛鳥「お兄ちゃんは、好きでもない人と付き合える?」

太郎「まぁ、そりゃそうだけどさ」

飛鳥「あたしは、この人って決めた人にしかムリなの!」

太郎(叶わぬ恋もあるって事だなぁ)
と、解釈してると

飛鳥「ていうか、お腹すいたから何か食べていこ」

太郎「そうだな、軽く食べるか」




その時、2人の事を見ている人物がいた。


(あれ?太郎くん?……一緒にいるのは女の人?彼女?
健太くんの言ってた事ホントだったのかなぁ?)





つづく



よっちん ( 2018/01/02(火) 02:56 )