第1章/春休み〜蕾たち〜
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麻友side

終業式から1週間、ようやく花音の荷物の整理がついてきた。

大きなスーパーにも行ったし、近所にあるものはだいたい花音に紹介できただろう。
段ボールもあと1つになっていた。


「麻友さん、机の上終わりました」

「あっ、お疲れ様。 お腹すいてない?」

「うーん、ちょっとすいてきました」

「よかった、近くに友達のカフェがあるの。行ってみない?」

「はい! 是非行きたいです」

「よし、じゃあ行こう!」


お店は家から5分程度、ちょうど通学路の途中にある。


「こんにちは」

「あっ、麻友! いらっしゃい」

「久しぶり〜、さや姉!」

「んで、そっちの子は?」

「あぁ、いとこの子なの。来年から桜江入るの」

「初めまして、木本花音です」

「花音ちゃん? よろしくね」

「よろしくお願いします」

「うん、じゃあ、適当に座っといてな」


友達とは、2年間同級生だった、さや姉こと山本彩ちゃんのことだ。
ここはさや姉の両親がやっている『CAFE Yamamoto』。

彼女と知り合ってから、ほぼ毎週来ている。


「おまたせしました、麻友はカフェモカ、花音ちゃんは同じのでええ?」

「はい、大丈夫です」

「じゃあ、これ。 他はなんか食べる?」

「うん、いつものパンケーキお願い」

「わかった」


ここのパンケーキは絶品だ。
麻友は授業帰りに立ち寄っては、いつもカフェモカとパンケーキを好んで頼んでいた。


「お待たせ〜、ウチも休憩貰ってきたわ」

「うわぁ、美味しそう!」

「そうやろ? あったかいうちに食べ」

「はいっ!いただきます」


ん〜! おいひい
と言いながら、口をパンパンにして食べる花音を、彩と私は微笑んで見ていた。

■筆者メッセージ
組閣が終わり、一安心しました。
私が予想していたより変化はありませんでした。
しかし、メンバーにとっては大きな変化であり、新しい世界での挑戦ですね。
今は泣いていても、半年、1年経ったとき、一段とたくましくなった姿を見られる事を期待しています。
Utopia ( 2014/02/25(火) 00:03 )