プロローグ/3月〜卒業式の忘れ物〜
05
翌朝…。

花音と軽い朝食をとり、荷物整理に追われる花音を家において、終業式の為に私は学校まで来ていた。


「おはよ、麻友」

「あっ、りっちゃんおはよ」

「最近さ、勉強してる?」

「うーん、あんまりしてないかな…」


彼女は私の親友の川栄李奈。
クラスでも勉強ができない方の部類の子だ。

そんな子が、春休みを目前に勉強の話?


「あたし、塾とか行った方がいいのかな…」

「えっ? 突然そんなこと言い出して、どうしたの?」

「だって、だってさ、来年私たち"受験生"だよ? でも、なんにもわかんないし…」

「えっ?「なに?」

「あっ、いやっ、なんでも、ないよ…」


なんとか取り繕ったけど、純粋に驚いた。

この子も受験するんだ…。
てっきり就職に"逃げる"のかと思ってた。


「あたし、これから頑張るから!」

「そっか…。頑張れ!」


なんて、他人にいい顔してる場合でも無いことは私にも分かっていた。

でも、何をすればいいの?
何から始めるべきなのだろう?

私は終業式の間も、ずっとこの事を考えていた。

■筆者メッセージ
今後の参考にしたいと思うので、出してほしいメンバーなど居ましたら、コメントしてください。
もしかしたら、登場するかもしれません。
Utopia ( 2014/02/16(日) 23:48 )