05
翌朝…。
花音と軽い朝食をとり、荷物整理に追われる花音を家において、終業式の為に私は学校まで来ていた。
「おはよ、麻友」
「あっ、りっちゃんおはよ」
「最近さ、勉強してる?」
「うーん、あんまりしてないかな…」
彼女は私の親友の川栄李奈。
クラスでも勉強ができない方の部類の子だ。
そんな子が、春休みを目前に勉強の話?
「あたし、塾とか行った方がいいのかな…」
「えっ? 突然そんなこと言い出して、どうしたの?」
「だって、だってさ、来年私たち"受験生"だよ? でも、なんにもわかんないし…」
「えっ?「なに?」
「あっ、いやっ、なんでも、ないよ…」
なんとか取り繕ったけど、純粋に驚いた。
この子も受験するんだ…。
てっきり就職に"逃げる"のかと思ってた。
「あたし、これから頑張るから!」
「そっか…。頑張れ!」
なんて、他人にいい顔してる場合でも無いことは私にも分かっていた。
でも、何をすればいいの?
何から始めるべきなのだろう?
私は終業式の間も、ずっとこの事を考えていた。