第2章〜会うたび我儘になる〜
04

「今だって簡単にできちゃうよ?やってみる?」


そう言うと堀は唇を近づけてきた。



"キスなんてただの粘膜の接触"


誰かがそう言ってた気がするけど、僕はそうは思わない。



「え、遠慮しときます…。」


「せっかくのチャンスだったのに。まぁいいや、じゃあテスト頑張ろうね〜。」


堀は手を振りながら帰っていった。



危うくあっちのペースに飲み込まれるところだった。いや、すでにもう飲み込まれているかもしれない。




家に戻ると玄関に靴が一足増えていた。


ドタバタと足音が聞こえ、やがて玄関にたどり着いた。



「おにぃの部屋からなんか香水の匂いがするんだけど。もしかして女子連れ込んだの?」
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ザウバー ( 2019/03/16(土) 23:31 )