01
「お邪魔しまーす。」
そう言って堀は僕の家に入って来た。
家には僕以外誰もいない。
父さんは仕事に行ったし、母さんは友達と出かけてるらしい。
「思った通りだ。無駄なものをあんまり置いてないね。」
「そもそも僕には趣味がないからね…」
まあ、強いて言うなら音楽を聴くことくらいだろうか。
「じゃあ早速だけど数学から教えてほしいんだけど…」
こうして僕たちは約2時間ほど集中して勉強に取り組んだ。
お昼過ぎから始めたので時刻は午後3時。少し休憩をとることにした。
「堀は隣のクラスだけど友達とかはいるの?」
「失礼だなー。ちゃんといますー!日奈子とか蘭世とかいるんですー!」
堀は膨れっ面をしている。どうやら怒っているみたいだ。
以前の発言から少し狂気を感じていたが、可愛い一面もあるんだな…。
「そっちこそいつも井上さんと一緒にいるじゃん。」
「いつも一緒にはいないよ。偶然だよ偶然。」