第2章〜会うたび我儘になる〜
01

「お邪魔しまーす。」


そう言って堀は僕の家に入って来た。


家には僕以外誰もいない。


父さんは仕事に行ったし、母さんは友達と出かけてるらしい。


「思った通りだ。無駄なものをあんまり置いてないね。」


「そもそも僕には趣味がないからね…」


まあ、強いて言うなら音楽を聴くことくらいだろうか。



「じゃあ早速だけど数学から教えてほしいんだけど…」


こうして僕たちは約2時間ほど集中して勉強に取り組んだ。


お昼過ぎから始めたので時刻は午後3時。少し休憩をとることにした。


「堀は隣のクラスだけど友達とかはいるの?」


「失礼だなー。ちゃんといますー!日奈子とか蘭世とかいるんですー!」


堀は膨れっ面をしている。どうやら怒っているみたいだ。



以前の発言から少し狂気を感じていたが、可愛い一面もあるんだな…。


「そっちこそいつも井上さんと一緒にいるじゃん。」


「いつも一緒にはいないよ。偶然だよ偶然。」


ザウバー ( 2019/03/10(日) 23:05 )