06
「空?」
「そう。空にはね、いろんな表情がある。怒っていたり…泣いていたり…笑ってたり。今は微笑んでる気がするなぁ…。君にはどう見える?」
…分からない。何だこの子は。
僕が困惑していると
「ふふ、いきなりごめんね?こんなこと聞いちゃって。」
「いや、大丈夫だけど…。」
「あなたのことは知ってるよ?井上さんが想いをよせてる真面目男子くん。」
「な…なぜそれを…。」
「だって有名じゃん。」
彼女はケラケラ笑いながら近づいてくる。
「思わせぶりな態度をとるから井上さんも期待しちゃうんだよ?そんなことするよりさ…私に"恋"してみない?」