第1章〜それは夏の仕業〜
06
「空?」


「そう。空にはね、いろんな表情がある。怒っていたり…泣いていたり…笑ってたり。今は微笑んでる気がするなぁ…。君にはどう見える?」



…分からない。何だこの子は。


僕が困惑していると


「ふふ、いきなりごめんね?こんなこと聞いちゃって。」


「いや、大丈夫だけど…。」


「あなたのことは知ってるよ?井上さんが想いをよせてる真面目男子くん。」


「な…なぜそれを…。」


「だって有名じゃん。」


彼女はケラケラ笑いながら近づいてくる。


「思わせぶりな態度をとるから井上さんも期待しちゃうんだよ?そんなことするよりさ…私に"恋"してみない?」







■筆者メッセージ
いよいよ新たな人物が登場です。
ザウバー ( 2019/03/05(火) 23:01 )