第1章〜それは夏の仕業〜
02
「ねぇねぇ、隣のクラスの美月ちゃん、サッカー部の先輩と付き合ってるらしいよ?」

「ほんとに?」

「やばいよね。さすが美月ちゃんだよね!」


そんな声が女子から聞こえてきた。

季節は5月中頃

ほら、やっぱり色めき立ってる。

僕はその声が聞こえないようにbeatsのヘッドホンをつける。

邪魔されない世界、それが何より心地いい。

朝のHRまではまだ時間がある。ひと眠りでも始めようと思ったとき、ツンツンと肩をたたかれた。

「おはよ。今日も相変わらず眠そうだね。」

クスクス笑いながら話しかけてきたのは隣の席の井上小百合だ。

「おはよ。ほっといてくれ。」

「もう!せっかく話しかけてあげてるのに!」

「ごめんごめん。あ、数学の宿題やってないから見せて?」

「見せてあげない!!」

彼女は感情の起伏が激しい子だ。


■筆者メッセージ
ちまちまと更新していきます。
なかなか難しくて苦戦していますが頑張ります。
ザウバー ( 2019/02/28(木) 15:57 )