1話
玲奈「あ〜〜〜、ご主人様の浮気者〜〜〜」
麻友が眠って数分後、和哉が使用する部屋に息を切らせた玲奈が姿を見せる。麻友が眠った直後ということもあって、和哉は、玲奈を睨み付ける。
和哉「麻友が寝たから、静かにしろよ。それと、浮気者って、どういうことだよ?」
和哉にたしなめられ、玲奈はハッと口を抑える。
和哉「それで、浮気者って、どういうことだよ?」
玲奈「だって・・・私は、ご主人様だけなのに・・・ご主人様は渡辺さんや横山さん、咲子お姉ちゃんと・・・」
和哉を独り占めしたい玲奈は、自身以外の女と関係を持つ和哉に不満をぶつける。
和哉「じゃあ、玲奈も他の男とヤれよ」
玲奈「ご主人様の意地悪」
玲奈が他の男に走らないと分かっているからこそ、和哉は他の男と関係を持つことを許し、玲奈も和哉の真意が分かっているから、拗ねた表情を見せる。
和哉「今から由依とヤるかな」
麻友に抱き付かれながら、目の前に玲奈がいるにも関わらず、この場にいない由依の所に行こうとする和哉。玲奈は、その言葉を聞いて、頬を膨らませ、更に拗ねる。
和哉「あ、その前に、朝飯だな」
玲奈「私も手伝います」
合流が一日遅い玲奈は、少しでも和哉と一緒にいようと、手伝おうとする。
和哉「材料が残ってないから、近くのコンビニで弁当買ってくる。玲奈は、留守番でもしててくれ」
留守番するよう言われた玲奈だったが、和哉の指示に逆らい、尾行を始める。
玲奈「ご主人様が浮気しないように見張らないと」
サングラスを掛けて尾行する玲奈は、明らかに愛李の悪影響を受け、周囲から浮いていた。そんな尾行に和哉はすぐに気付き、踵を返す。
和哉「玲奈、戻って留守番するか、それとも一緒に来るか、どっちかにしろ」
玲奈「一緒に行きます」
これが愛李であれば、追い返されるが、やはり玲奈には甘く、共にコンビニに。ここぞとばかりに、玲奈は和哉に抱き付く。
これ以上和哉に女を近付けたくない玲奈は、巧みに和哉を誘導し、女性店員がいないレジに並ばせる。
志津香「お待ちのお客さま、こちらのレジへどうぞ」
玲奈の巧みな誘導も、巧くはいかなかった。
和哉「大家さん、バイトですか?」
志津香「春休みで暇だからね」
偶然、レジ打ちをしていたのは、秋葉学園の調理師大家志津香。志津香はレジ打ちをしながら、和哉と楽しそうに話し、志津香と面識が無い玲奈は不機嫌になっていく。
志津香「ね〜、一緒にいるのが、彼女?」
和哉「そうですよ」
志津香「デートか、いいな〜。私も彼氏欲しいよ〜」
親しそうに話す和哉と志津香だが、彼女と言われた玲奈の機嫌は一瞬で治る。弁当を買うと、二人は戻っていく。
玲奈「ご主人様、さっきの人は知り合いですか?」
和哉「秋葉学園の食堂で調理師をしてる大家さんだよ」
志津香とどんな関係なのか、追及しようとした玲奈だったが、和哉に彼女だと肯定されたことが嬉しかったのか、問い質すことを止める。
玲奈と違う意味で笑顔になった和哉。秋葉学園は生徒だけでなく、教職員もアルバイト禁止。何かあった時、志津香を脅すネタができたと、喜んでいる。