鬼畜な生徒会長の一年


























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16章 部費争奪戦編
1話
 翌日の火曜日の放課後、和哉が何気無く、人気の無い校舎裏を歩いていると、どこからか、争いをしているかの様な声が聞こえてくる。和哉は、音を立てないように、ゆっくりその場所に近付き、様子を探る。

「今年の俺らは部費を結構減らされるみてーだから、こいつにウリでもさせて、部費を稼がせるか」

「おい、山本と薮下は?アイツら稼いだんじゃないか?」

「大して稼げなかったってよ。何やってんだよ、アイツらは」

 そこにいたのは、野球部員らしく、和哉は更に野球部の部費を減らせるネタがないかレコーダーに撮り始める。

「コイツで稼げるのか?こんな地味で胸が無いヤツで」

「こう言うのが好きだって変わったヤツもいるだろ。あとな、彩と薮下をみんなで回した後で、ウリをさせるんだよ。稼いで来なかったんだからな」

「山本はお前の彼女だろ?」

 この集まりの首謀者は、和哉と馬が合わない祐介。

「いいよ。最近、アイツとうまくいってないし。それよりも、コイツを裸にするか」

「そうだな、さっさと脅すネタ撮るか」

 祐介達は、連れてきている少女を裸にしようと近付く。和哉もネタは充分だと、祐介達の前に姿を見せる。

和哉「お前ら、いい加減にしろよ」

「チッ、良い子ちゃんの岡田か。チクるなよ!」

 和哉と祐介、二人は顔を合わせただけで、一触即発になる。

和哉「こんな下らないこと考える時間があるなら、少しは勉強して赤点取らないようにしろよ」

「お前こそ体鍛えろよ、貧弱野郎」

 互いの悪口を言い合い、しばらく睨みあった後、祐介達は忌々しそうにその場を立ち去る。

和哉「確か、カレー部にいた図書委員の北原さんだったよね、何もされてない?」

 祐介達に捕まっていたのは、図書委員で由依のクラスメートの北原里英。

里英「北原のこと覚えてるんですか?会長のせいでお小遣い足りなくなったんですよ・・・あっ、助けてもらってありがとうございます」

和哉「そんなことより、アイツらに見つからないように帰ったら。もしも何か遭ったら俺に教えてくれ」

里英「あっ、はい。ホントにありがとうございました」

 和哉は携帯番号を教えた後、里英を帰らせ、自身は生徒会室に戻り、予め作っていた各部活の予算案の作り直しを始める。

COM ( 2016/02/24(水) 01:41 )