26話
茉里奈「続いては、合気道部山田菜々さんです」
麻里子「第一の商品は・・・・・・えっ?」
菜々「なんでやねん」
麻里子が第一の商品を言う前に、客席の教師達からブーイングが巻き起こり、菜々は客席にツッコミを入れる。
「引っ込め〜」
「時間の無駄だ〜」
菜々「だから、なんでやねん!」
ゆりあ、美奈、菜月と武道系の部活の少女から酷い目に遭わされ、恐怖を感じさせられ、同じ武道系の菜々は拒否される。Mの菜々はされるがままになるとも知らず。
茉里奈「次の森保まどかさんは辞退したので、続いては・・・・・・」
「柏木、横山、柏木、横山」
茉里奈が亜樹の名前を言う前に、教師達は由紀と由依の名前をコールする。
茉里奈「あの、静かにしてください。続いては・・・」
「もういいから、柏木と横山を出せ!」
茉里奈が再度亜樹の名前を言おうとしたが、教師達はそれを阻む。
亜樹「もういいから!」
怒った亜樹は、その感情に身を任せ、持っていた硬式テニスボールを思い切り客席に打ち込み、座っていたイスを客席に投げ、泣きながら部屋に戻っていく。
和哉「ここからは俺が仕切りますが・・・ボールとイス、片付けてください」
亜樹が怒りのまま打ち込んだボールは、大半の教師達にダメージを与え、転々としていた。亜樹が投げたイスは、一人の運が悪い教師に当り、気絶させていた。
片付けが終わると、オークション再開。
和哉「それでは最初の商品は、柏木さんと一秒手を繋ぐです。十万円から」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
教師達は『一秒十万円』というふざけた金額の提示に、誰も落札しようとしない。
和哉「あれ?先生方、冷やかしですか?誰も落札しないなら、柏木さんが出せる商品はこれで終わりになります」
たった一秒のために十万円を支払う、教師達にそんな度胸は無かった。そして、誰かが落札することを願い、微動だにしない。
和哉「誰も落札したくないみたいなので、柏木さんはこれで終わりになります」
ステージ中央に立たされていた由紀は、和哉以外の誰にも触れられなかったことを喜びながら、席に戻る。
「岡田、まさかとは思うが、誰かが落札したら、次の商品は二秒で二十万円とか言うんじゃないよな?」
和哉「よく分かりましたね」
教師の誰もが、そうなるであろうことを予測し、呆れるしかなかった。
「次は三秒三十万円か?」
和哉「まさか。三秒で六十万円ですよ」
予想外のことに教師達は言葉を失う。一秒毎に十万円の加算だと思っていた和哉以外の全員が金額の提示のパターンが分からなくなる。
和哉「四秒で二百四十万円、五秒で千二百万円」
一秒毎に倍率が加算され、五秒になると、誰にも手が出せない金額になる。
和哉「続いて横山さん。第一の商品、一秒間手を繋ぐ、十万円から」
由紀の時と同じパターンになると、悟った教師達は、誰も落札しようとしない。
和哉「では、今日のオークションはこれで終わりになります」
和哉がオークションの終了を告げると、客席の教師達からは怒号の様なブーイングが巻き起こる。
和哉「分かりました、では、あることにチャレンジしてクリアした方にチャンスをあげます。準備をするので、暫く休憩をしていてください」
和哉は準備のためにオークション会場から出ていく。