4話
由紀と別れて、帰路につくと、由依→玲奈といった順にメールが届く。どちらの内容もほぼ同じで、新年の挨拶は無く、『柏木さんが最高の彼女って、どういうことですか?』だった。由紀が彼女?と思ったが、雌犬=彼女と、由紀が勝手に思ったと判断し、メールはスルーしようとしたが、玲奈・由依共に、デートしたいと末尾に書いていたので、二人に返信。
由依は既にこちらに戻り、玲奈も翌日には戻ってくるということなので、三日に由依と、四日に玲奈とデートすることに。
由依「ご主人様、柏木さんが最高の彼女ってどういうことですか?」
会って開口一番、挨拶ではなく、メールと同様のことを聞く由依。和哉がそれに答えなかったのが原因だが。
和哉「誰が彼女だよ?」
由依「だって、柏木さんがメールで・・・」
和哉「俺は雌犬って言ったんだよ」
由依「なんや、それやったら・・・」
由紀が彼女ではなく、雌犬とわかると、由依はほっとした表情を見せる。
由依「ご主人様の彼女は、ウチですよね?」
和哉の彼女が自身だと、認めさせようとする由依。『ご主人様』と呼んでいる時点で、彼女ではないと、思われるが・・・。
和哉「由紀が雌犬だから、由依は・・・・・・玩具か」
由依「ウチは玩具ですか・・・」
玩具と言われて落ち込む由依の手を掴み、和哉はラブホテル目指し歩いていく。
由依「ご主人様・・・ウチ、そこの神社に行きたいんですけど、いいですか?」
和哉「・・・・・・・・・・・・そこの恋愛成就の神社にか?」
由依「詳しいんですね、ご主人様」
三回目ともなれば、興味が無くとも嫌でも詳しくなる。由依も真子・由紀と同じように絵馬に願いを書き、奉納する。
和哉「ホテルに行くか」
由依「もう・・・ホテルですか?」
絵馬を奉納すると、和哉はすぐにホテルに行こうとする。由依としては、和哉との初デートと言うこともあり、即ホテルというのを嫌がる。
和哉「俺とヤるの嫌か?」
由依「嫌やないんですけど・・・・・・せっかく、ご主人様と初デートなんやし・・・もう少し、どこかに行きませんか?」
和哉「じゃあ、任せる」
麻友から数えて連続デート四人目ともなると、面倒になったのか、次の行き先を由依に任せる。
由依「ここで・・・ウチの服、選んでもらえないですか?」
目的の店に着くと、由依は和哉に服を選ぶよう頼む。由依の格好を見て、和哉はなんとなく納得する。
和哉「一応、何で服を選ばせるか、理由を聞こうか」
由依「従姉妹にダサいって、ずっと言われたんですよ」
和哉「ま、実際ダサいよな」
和哉にまでダサいと言われ、由依は瞳に涙を浮かべる。予算を聞き、和哉が服を選び、由依に試着させると、一転して表情は明るくなる。
和哉「今度こそホテルに行くか」
由依の服を買い、昼食を食べると、ラブホテルに向かう。