4話
翌日、和哉は未姫と待ち合わせの場所に行く。
未姫「お兄さん、ありがとうございます」
和哉「未姫ちゃん、待たせたみたいでゴメンね」
未姫「あ、いえ。私が早く来すぎただけです」
未姫は待ち合わせ時間よりもかなり早く到着していた。
和哉「未姫ちゃん、それよりも」
未姫「あ〜、ごめんなさい。和哉さん」
和哉「はい、良くできました。じゃあ行こうか」
小さい子供の相手をするように言われると、未姫は拗ねるが、和哉の腕に抱き付き、約束の場所に向かう。
真子「未姫、ズルすぎる!抜け駆けなんて卑怯!」
奈々「・・・・・・・・・・・・」
無言で二人の背中を睨む奈々と、未姫の抜け駆けに怒る真子。怒りに燃えながら尾行を開始する。しばらく歩くと
真子「着いたみたい・・・って、私と未姫が通ってた小学校?何で?」
校庭に入ると、和哉と未姫は誰かを探すようにキョロキョロし、奈々と真子は見つからないよう物陰に隠れる。
奈々「誰か来たよ」
真子「あれは・・・沙穂?」
奈々「誰なの?」
真子「私と未姫の小学校の時のクラスメイト。でも、何で沙穂と会ってるのかな?未姫は沙穂のこと、嫌いだって言ってたのに。もう少し近付いてみよ」
未姫が会う約束をしていたのは小学生の頃のクラスメイトの岩立沙穂。常に未姫とは反りが合わず、事ある毎に二人は対立していた。
奈々と真子は声が聞こえるくらい近い物陰まで、こっそりと移動する。
未姫「沙穂、遅い!って・・・この前と違う人?」
沙穂「あ〜、あれはただのお友達。沙穂とデートしたいって言うから、してあげたの。沙穂の彼はこの人」
「お前か、俺の沙穂を虐めてた生意気な女は?あとで仲間と壊れるまで犯してやるよ。兄ちゃん、消えろ!ボコられ・・・・・・・・・沙穂、ちょっと用を思い出した。俺は帰・・・・・・」
威勢が良かった男は、和哉の顔を見ると、急に大人しくなり、帰ろうとする。
和哉「男同士向こうで話でもしようか!未姫ちゃん、二人で待っててくれる?」
逃げようとする男の襟首を掴み、引き摺りながら、校舎の陰に連れていく。
沙穂「未姫ちゃんの彼氏って、バカだよね?沙穂の彼氏は、今噂になってる秋葉学園の生徒会長なんだよ。優等生だけど、凄く強いんだよ」
未姫「バカなのは沙穂!私と一緒にいたのが、本物の秋葉学園の生徒会長!」
沙穂「未姫ちゃんって、いつも沙穂と張り合ってくるよね?ねー、沙穂に嫉妬してるの?」
未姫と沙穂が、感情のまま言い争っている頃