19話
麻友「あと、どれくらいですか?」
由紀「も〜、疲れた〜」
玲奈・麻友・由紀の三人は、和哉の後を追い掛けたことを後悔していた。保養所へ行く時は麻里子が運転するワンボックスカーに乗っていたために、何とも思わなかったが、歩いてみると、体力が無い三人には街までの道程は遠かった。
和哉「今、半分位かな」
由紀「え〜〜、もう歩けないよ〜〜」
和哉「由紀はもう歩けないらしいから、置いていくか」
由紀がもう歩けないとしゃがみこむと、和哉は無視して歩き出す。由紀の様に置いていかれたくない玲奈と麻友も、しゃがみこんだ由紀を放置して和哉に付いていく。
由紀「あ〜置いていかないでくださいよ〜〜」
和哉が本気で由紀を置いていくと、もう歩けないと言っていた由紀は立ち上がり、後に付いていく。保養所を出発して三十分、ようやくファミレスに到着する。ファミレスに入ると、疲れた身体を休める様にのんびりと食事。
和哉「そろそろ戻ろうか」
由紀「え〜、また歩くんですか〜〜?」
さすがに同じ時間を掛けて保養所に戻るというのは、由紀だけでなく、玲奈と麻友もうんざりしていた。
和哉「嫌ならずっとそこに居ろよ。俺はタクシーで戻るから」
タクシーと聞いて、玲奈達はすっと立ち上がる。会計を済ませ、ファミレスから出ると
愛李「これはこれは長官じゃないですか。両手両足に華で羨ましいですね〜」
和哉「古川、変な言葉を作るな!」
愛李の姿を確認し、相手をしながら、その行動を警戒している。