鬼畜な生徒会長の一年


























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8章 メロンパン同好会 島崎遥香編
6話
和哉「今度こそ本題に・・・って、うるさいな」

 和哉が本題に入ろうとするが、朱里と恵が足をばたつかせ、話の邪魔をする。

菜々「鼻まで塞いだらアカンって」

 和哉は朱里と恵の口を塞いだが、その際一緒に鼻にもガムテープを貼ったため、呼吸ができなくなっていた。それに気付いた菜々は、鼻に貼られたガムテープだけでなく、口を塞いでいたガムテープも剥ぎ取る。

朱里「鬼〜悪魔〜・・・・・・」

 自由に喋られるようになると、朱里は和哉の悪口を並べ立てる。和哉は朱里が飽きるまで大人しく聞いていた。

和哉「言いたいことは言ったみたいだし、また静かにしてもらおうか」

 和哉は再びガムテープで朱里と恵の口を塞ぐ。

和哉「山田さんも大変だろ?合気道部とお笑い部部長の掛け持ちは。お笑い部が同好会になれば、少しは合気道部の練習に集中できると思うな」

 成り行きでお笑い部部長になった菜々は、和哉の言葉を尤もだと思っていた。人数が足りないからと頼まれ仕方無く幽霊部員としてお笑い部に入部したが、気付いた時には部長をさせられていた。

菜々「それもそうやな」

 菜々が和哉の言葉に同意すると、朱里が先ほど以上に足をばたつかせ、二人の話がそれ以上進まないように妨害しようとする。

和哉「同好会に格下げ決定だけど・・・何か言いたそうだな」

 和哉が勢いよくガムテープを剥がすと

朱里「ななたん、何考えてん?同好会に格下げは絶対にアカンって」

 朱里は格下げに断固反対し、菜々に翻意させようとする。

朱里「部費が無かったら、DVDも買われへんし、ライブにも行かれへんで」

菜々「あ、ホンマや。それはアカンな」

 格下げに賛成した菜々も、お笑いDVDとライブは楽しみだったらしく、迷いが生じる。

和哉「成る程、部費をそんなことに使ってたんだ。自白してくれてありがとう」

恵「冗談・・・冗談やから本気にせんとって」

 菜々と朱里の自白ともとれる言葉を冗談だと恵がフォローするが、和哉はそれに耳を貸さなかった。

和哉「本当なら部費の不正流用で廃部だけど、大目に見て同好会としてなら存続させても良いかな。同好会が嫌なら廃部に・・・」 

 和哉の言葉で三人は顔を見合わせ

朱里「同好会でもええから・・・廃部だけはせんとって」

恵「お願いします」

 朱里と恵は同好会でもいいからと存続を望み、和哉はそれを了承。生徒会室から出ると、菜々と朱里は口論を始め、恵が二人を宥めながら教室に戻っていく。

COM ( 2016/01/24(日) 23:59 )