鬼畜な生徒会長の一年


























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7章 アイドル研究会 柏木由紀編
3話
 愛李が出ていくと、玲奈達が入れ替わりで入ってくる。

由依「会長、古川さんとどんなこと、話してたんですか?」

和哉「別に大したことじゃないよ、みんながどんな反応してるか、調査を頼んだだけだよ。情報収集能力では、学園一だから」

 和哉が言ったことは尤もと玲奈達は納得。愛李以上に情報収集能力で長けた者は秋葉学園には存在しない。愛李がスキャンダル記事を嬉々としてばらまくような、ある意味破綻した人物でなければ、和哉が傍に置いておきたいと思っていたほど。

麻友「私達じゃ、ダメなんですか?」

由依「悔しいけど、ウチらじゃダメやな。」

 生徒会役員に選ばれ、最初に和哉の役にたったのが、部外者である新聞部部長の愛李。由依と麻友は悔しそうにする。

和哉「そんなことより、やることは色々あるんだ。そっちをやろうか」

 和哉は大量の領収書の束を取り出し、部費の予算案作りの資料を作り出す。二週間後

愛李「長官、調査終了しました」

 愛李は調査報告終了を告げ、調査資料を和哉に提出する。

和哉「あーありがとう。良くできてるな」

 和哉から礼を言われた愛李はどこか嬉しそうな笑顔を見せる。

和哉「さて、行くかな」

愛李「あ、待ってください」

和哉「何か?」

 愛李が作った資料を手に、和哉が生徒会室から出ようとすると、愛李が呼び止める。

愛李「ホントに新聞部は格下げとか無いですよね?」

和哉「公益性の高い新聞部を格下げとかしないよ。誰かさんが三流のゴシップ誌にしないならな」

 そう言って和哉は愛李の襟首を掴み、共に生徒会室から出る。

玲奈「じゃあ、行きましょうか」

 廊下で待っていた玲奈達を引き連れ、和哉は部活・同好会の活動調査を始める。

由依「これやったら、格下げになる部活はないですよね」

和哉「そうだな、いつもこんな感じだったら、格下げはしなくて済む」

 活動調査の開始と共に、全ての運動部の活動は活発化。

和哉「運動部の調査は、もうしなくてよさそうだな」

 わざとらしく、和哉が調査終了だと言い、校舎内に姿を消すと、活発化していた活動が僅かな時間で鎮静化。

和哉「これで本当に調査終了。こんな単純な手に掛かるなんて、あいつら猿並みの知能しかないのか?」

 運動部の同好会への格下げはしないものの、部費をカットすると決めた和哉だった。

COM ( 2015/12/03(木) 23:59 )