鬼畜な生徒会長の一年


























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7章 アイドル研究会 柏木由紀編
1話
和哉「渡辺さん、スピーチの原稿作ったから」

麻友「ありがとうございます。良かった〜〜、どうしようかと思ってました」

 月曜日のHRが始まる前に、和哉は作っておいた原稿を麻友に手渡す。そんな和哉を影から由依が睨むように見ていた。それに気が付いた和哉は由依に近付いていく。

和哉「横山さん、スピーチの原稿作ってるよな?去年、書記をやったんだし」

由依「それは作ってますけど・・・」

 由依が羨ましそうに見ていたことを知りながら、敢えて自分で用意した原稿を読ませようとする和哉。

和哉「じゃあ、これはいらないな」

由依「待ってください。ウチが用意したんと比べて、ええ方を使いたいんで、ください」

 危うく捨てられそうな原稿を奪うように貰うと、由依は嬉しそうに教室に向かっていく。
 午後からは、全校集会が行われ、新生徒会役員のお披露目。和哉と由依は全校生徒の前に立つことは慣れているが、どちらかというと人見知りをする玲奈と麻友は、昼休みから緊張していた。時間の経過と共に、二人の緊張は増していき、解れることなく、全校集会が始まる。

麻里子「それでは、生徒会長より、生徒会役員の発表してもらいます。生徒会長、壇上に上がってください」

和哉「はい」

 壇上に上がり、マイクの前に立つと一礼し、生徒会役員の発表を始める。

和哉「副会長に松井玲奈さん、会計に横山由依さん、書記に渡辺麻友さんを任命します」

 玲奈と麻友の名前が出ると、男子生徒の大半から、溜め息とブーイングが聞こえてきた。和哉が美少女を独占するようなものだから、当然と言えば当然だが。

和哉「壇上に上がってきてください」

 三人が壇上に上がると、今度は女子生徒の一部からブーイングが起きる。

和哉「静かにしてください。それでは、渡辺さん、一言お願いします」

 麻友・由依・玲奈の順でスピーチをしていく。由依のスピーチの時、和哉が作った原稿を読む姿を見て、和哉は苦笑いしていた。
 最後に和哉のスピーチで全校生徒がざわめく。

COM ( 2015/12/02(水) 00:59 )