鬼畜な生徒会長の一年


























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6章 松井玲奈お泊まりデート編
1話
 和哉が生徒会室から出ると、玲奈からスピーチの原稿作りを手伝ってほしいとメールが入る。帰宅するまでには、待ち合わせ等が決まり、和哉は翌日を楽しみにする。

玲奈「お待たせして、すいません」

和哉「気にするなよ。それより行くか」

玲奈「はい」

 昼前に駅で待ち合わせた二人は、並んで歩き、近くのファミレスに入っていく。席に案内され、しばらくして注文。

玲奈「せっかくだから・・・家に行く前に・・・少しだけ街をブラブラしませんか?」

和哉「あ〜、いいよ」

 平静を装う和哉だが、内心では踊ってしまいそうな程、喜んでいた。一物で自らの虜にしたとはいえ、二年近く想っている玲奈とデートできることで、にやけそうになるのを押さえるのが、やっとだった。

玲奈「ほんと〜ですか?ありがとうございます」

 玲奈は和哉とは違い、素直に喜びを表す。先に肉体関係になったとはいえ、想い人である和哉とデートできると一層笑顔になる。食事を終わらせ、ファミレスから出ると

愛李「いや〜、まさかイケメン生徒会長と玲奈さんのデートをスクープできるとは」

玲奈「あ・・・あいりん?な・・・何で?」

 和哉と玲奈の前に姿を見せたのは、玲奈の友人で、新聞部部長の古川愛李。

和哉「松井さん、知り合い?」

玲奈「私の友達で・・・新聞部部長の古川愛李ちゃんです」

 『新聞部部長の古川愛李』、この名は、秋葉学園では、恐怖の存在。和哉も愛李の名を聞き、後退りする。

愛李「あれ?もしかして・・・古川のこと、避けてますか?」

和哉「友達以外、避けると思うけどな」

 愛李の記事は、僅かな事実を誇張し、書かれた当人からすると、捏造記事と言っていいもの。愛李のせいで、新聞部の取材に協力して貰えなくなった部員達からかなりの批難を浴び、新聞部が発行する新聞に愛李の記事は載らない。
唯一愛李が書いたもので掲載されるのは、四コママンガだけ。
 だが、これは愛李を自由にし、面白いネタがあると、それを最大限誇張し、号外として発行。それを登校時間に合わせて、屋上からばらまくということを何度もやり、学園では怖れられることになる。

COM ( 2015/11/25(水) 00:05 )