1話
「以上の結果により、岡田和哉君が秋葉学園生徒会長に決まりました」
祝福の声と無数の拍手を浴び、壇上に立つ少年。圧倒的大差で生徒会長選挙に勝利し、壇上でスピーチしている。彼の名は岡田和哉。周りの誰もが認める優等生。『学園を支配する』、和哉はそんな野心を胸に秘め、日々を過ごし、生徒の中では最大の権力を有する生徒会長になった。約一年半、完璧な優等生を演じ続けた彼の努力が実った瞬間だった。秋葉学園生徒会長の権力は思いの外大きく、生徒会役員の任命権、部費・各行事の予算配分、クラブ・同好会の創部・廃部 を独断で決めることができる。
HRが終わると担任教師が生徒会に関する伝達事項を和哉に伝える。
「来週の全校集会で生徒会役員を発表することになっているから、それまでに決めておいてくれ」
和哉「はい、分かりました。候補は決めているので、大丈夫です」
担任が教室から出ていくと、和哉も目星を付けていた候補者の所に行く。