第5章 Half lie love
08
部活も終わって家に帰って
適当に選んだ服を着る


そしていつもの駅より少し離れた
町の駅の前に立っていた


「ごめん、三上君」


遠くから齋藤が走ってくる


「本当にごめんね、はぁはぁ」


「別に気にしなくていいよ
それにまだ時間になってないから」


「でも、寒いのに待ってもらって
ごめんね」


齋藤は俺に謝ってばっかりだ
いつもより少し化粧をしていて
服装も制服じゃないとイメージが違う


「オシャレだね、なんかいつもと違う」


「今日は楽しみで頑張っちゃった
だから出かけるのに遅れちゃって」


「そうなんだ、じゃー行こっか?」


「うん」


俺たちは少し離れた
大型のショッピングモールに来ていた



デートなんかよく考えてみたら
1回もしたことがなくて


だから1回だけ七瀬の
荷物持ちで来たことのあるこの場所に来ていた



「そういえば、もう昼飯食べた?」


「あっそういえば……食べてない」


グゥー


「………」


「あ!」


その時齋藤のおなかが鳴り
一気に顔が赤くなって
俺の顔を恥ずかしそうに
俺の顔を見てくる



「ごめん、俺も腹減ったから
なんか食べに行こう
何がいい?」


「なっなんでもいいよ」


さっきより声が小さくなる
さっきのことを気にしているようで
そんな姿がなんか必死で


笑ってしまった


「ごめん、なんかおかしくて」


「もう、ひどいよ三上君
私すごく恥ずかしかったんだから」


「あはは、ごめん
可愛いよ飛鳥」


なんかどこか二人ともたぶん
少し緊張していたのかもしれないけど
なんとなく少し楽になった気がした






ライト ( 2015/12/10(木) 22:10 )