第4章 君のための悪魔
06
「おーい、三上お前呼ばれてるぞー」


昼休みにバスケ部の連中と
飯を食ってるとドア付近に座っていた
やつから声がかかる



でも今日は昨日のことがあって
何もかもが手につかない



「おい、龍太呼ばれてるって」



「あ………おう」



「もしかして、また告白されんのか?」


潤一の俺をバカにしてくる
声に


「うっせ」


とだけ返して教室の外に出た
そこには少し背の低い
黒髪をした
女子が立っていた



「あ、えっとごめんねごはん食べてたのに」


「いや、別に、それよりここは人通るし
場所変えていい?」



「え……うん」



そのまま使われていない
教室に入る



どうせこの女子から出る言葉は
分かってたし



「で?話って」



「あのね……私三上君のことが好き」


やっぱり
でも俺はこの人の名前も分からない


「俺は彼女とか作る気は今ないし、
それに君のことよくわからないし」


少し今日はイライラする
だからいつもは名前も知らないまま断るのに
すぐ断るのに



「あっ、ごめんね、そうだよね
私の名前は齋藤飛鳥って言うんだけど
知らない?けっこう知ってると思ったんだけど」



なんだよ、そのみんな知ってるみたいな言い方は




ん?



今なんて言った?




齋藤ってなんか聞いたことのある名前だ



「さいとう……あすか」



「うん、そうだよ」



あ!昨日きいた名前だ





その名前を聞いた瞬間
俺の中の心の悪魔が
現れた



「少し、待ってほしい
ちゃんと答え出すから
明日には答え出すから」




「うん」




俺の中の悪魔が
俺の口を通してそういった









ライト ( 2015/11/27(金) 22:15 )