第4章 君のための悪魔
03
「ねぇー龍太ちょっと牛乳買ってきてよ」


「なんで?」


部活後に奈々未の家に行くとすぐに
奈々未の声が聞こえた


「晩御飯食べようと思ったけど何もなくて
コーンフレークでも食べようと思ったら
牛乳なくて」


「はぁ、俺が作ろうか?」


「本当に?」


「いいよ」

奈々未はメガネをかけていて
パソコンの前に座っていた



「パスタでいい?」


「うん、龍太のパスタおいしいもん」


俺は冷蔵庫にあった野菜や肉
でパスタをつくる


15分くらいしてもさっきのままの
奈々未



「何してんの?」


皿を2枚運びながら
奈々未の方を見る


「うん、レポートなの」


「大変だねー大学生は」


「本当よ、あっできたのやった」


俺が作ったパスタをおいしそうに食べる


「あーおいし
龍太って、たまにむかつくと気があるわね」


「なんで?」


「だって、女の私より料理もうまいし
勉強だってできるし、イケメンだしね」


「それは、あざす」


料理って奈々未もけっこううまいのに
あんまり作ろうとしない
まぁ一人暮らしをしていると
めんどくさそうだ



「龍太はテストとか無いの?」


奈々未のベットの上で
暇そうに本を読んでいた俺に
奈々未は少し嫌味な感じできいてくる


「まだないー」


「はぁーいいわねー
高校生は、大学生になったら分かるよ
レポートの多さに」


「そうなんだ、奈々未が苦労するなら
俺無理だわ」


やっぱり奈々未の家は落ち着く
何もやることがないなら家に帰ればいいのに


「今日は泊まるの?」


俺はやっぱりパソコンと向かい合ってる
奈々未に悪い気がした


「いや、帰るわ
今日はつまんないし」


「あっそ、気を付けてね
外寒いから」


俺はそのままコートを着て
立ち上がって玄関に向かう



「奈々未も風邪ひくなよ」

そっと聞こえるか聞こえないか
分からないくらいの声量で
そっとささやいた






ライト ( 2015/11/22(日) 18:02 )