第14章 色をなくした花
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「三上君、膝と足首を怪我してますね」


「………」


「足首の方は膝をかばって倒れた時にひねったみたいな感じになってるんだけどまぁ軽い感じだから1週間もすれば治ると思います」


「………」


俺の前に座ってさっき撮ったレントゲンを見ながら50代くらいの白髪の先生は気だるい口調で話す


「ただね、膝のがねずみという病気でしてバスケだったり野球やっている人に多いんですけど動いているとたまに激痛が走ったりといったようなものでね」


「どれぐらいで治りますか?」


先生はレントゲンの写真を見ながら眉間にしわをよせる


「うーん、これは手術してみてだけどまだそんなにひどくなさそうだから1か月もしたら普通に歩いたりすることもできると思うんだけど」


「………」


「バスケしようと思ったら2,3か月はかかると思うよ、急にやるとまたなるかもしれないし前の時より悪くなるかもしれないからしっかりと治すことが大切、手術の日程はまた親御さんと相談してからで、もしかしたら手術の必要もないかもしれないから、またいらっしゃってください」


「はい、ありがとうございました」


「三上と、向井地、俺車を正面までまわしてくるからここで待ってろ向井地、三上のことよろしくな」


「はい」


俺は言われた通りに待合室のソファーに座る、少しして俺の横のソファーが少し沈む俺は横目でちらっと見ると向井地さんが缶ジュースを両手に持って座った


「先輩どっちがいいですか?」


持っていたオレンジジュースとコーヒーを見せる


「俺はいいや、太田先生にあげな」


「えー先輩飲んでくださいよ、せっかく少ないおこずかいの後輩が買ったんですから」


「なんだよ、それ俺はどっちでもいいよ」


「じゃーオレンジジュースもらってもいいですか?」


「うん、いいよってか向井地さんが買ったし」


「実は私コーヒー飲めなくて」


ニコッと笑う向井地さん


「なんじゃそりゃ、俺最初からコーヒーじゃん」


「よかった、やっと先輩笑ってくれた」


「え?」


「だって先輩さっきからすごく怖い顔してますよ、そんなに痛いですか?」


「まぁ、それなりにな」


「そうなんですね、手術できるならするんですか?」


「うーん、まぁした方が治りが早いからね」


「そうだ!遥香先輩には言ってないですよね?大丈夫ですか?」


俺の目をずっと、見ながら話してくれる向井地さんなんだかその大きな瞳でとらえられると少し恥ずかしくなる


「遥香には心配かけたくないから、明日ちゃんと言うよ今日も疲れてるだろうからさ」


「先輩って本当に優しいですよね」

すると車を止めた太田先生がやってくる


「おーい、二人帰るぞー」


そのまま車に乗って学校まで帰る、学校に着くと部活のみんなに心配されながら俺は家まで母さんの車で帰った、遥香に何も言わないまま





ライト ( 2016/04/21(木) 23:48 )