第14章 色をなくした花
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遥香がバスケ部を休部してから3日がたった、やっぱり部活中にいないのが少し寂しかったりする、でも逆に部活中に今までドジをしていた遥香の心配が減ったりしてでもなんか物足りない気分


「龍、今日も自主練すんの?」


「うーん、まぁちょっとな来週試合だからな」


「ふーん、ストイックだねーそれなら朝練もでればいいのに」


「朝は弱いんだよ」


俺は部活の後、もう部室に戻ろうとしている何人かしかいない体育館でボールをかごからとってレイアップをする


「やっぱ、龍太はうまいなー」


「そんなことねーよ」


「いや、だって俺中学の時お前と試合した時驚いたぜ、そうだ久しぶりに一対一やるか」


「やだよ、お前でかいし」


「まぁまぁ、そういうなって」


ほらって潤一はリングの下でバウンドしていたバスケットボールを取って俺に投げた
俺はすぐに右にゆっくりドリブルをする、潤一は大きな手と体を広げてディフェンスをするそのまま左手にボールを持ち替えてドリブルをしたところでシュートを打つしかし、潤一は体勢が崩れながらも指先にボールを触れる、ボールをリングに当たり弾かれる


「よーし」


ニヤッとこっちを見る潤一


「チッ」


「龍太さ、島崎のことちゃんと見てやれよ向井地みたいな奴だっているんだからな、島崎は言わないだけで辛い思いしてるかもしれないんだからな」


「うるせーよ」


「あと、龍太さっきのゲームの時足痛めただろ?」


「え?」

急に真剣な顔をする潤一に頭がついていかない


「だって、ゲームの後半から動き悪くなったしお前の所でボール奪われすぎだしよ、ただ調子悪いのかと思ったけど」


「そんなんじゃないし、怪我してないし」


「ふーん、まぁいいや今日は帰るぞ怪我してなくてそれなら、今日は練習にならないから」


「なんだよ、嫌味かよでもな、今日は一緒に遥香と帰るから」


「うわーうぜ」


俺と潤一は部室で着替える、着替えて部室を出ると門の所で立っている遥香を見つける


「なら、俺先に行くからお二人はなかよく」


潤一は俺の所から走って門まで行くと遥香と少し話して二人が俺のことを見ると潤一はそのままランニングをするかのように走って行った、俺も笑って手を振る遥香のもとに駆け足で行く


ズキッ


一瞬近づいていた遥香との距離感が分からなくなる俺の視界が遥香から一気にアスファルトに移るとそのまま片膝がアスファルトにぶつかる


「え!大丈夫?」


走ってくる遥香の顔は真剣だった


「おう、大丈夫ちょっと足がもつれただけ」


俺はついていた膝に力を入れて立ち上がる、さっきからズキズキと痛む膝にムチを打つように


「本当に?汗すごいよ」


「うん、あっこれは……部活してたから」


膝が痛むのを押えながら遥香に笑顔をむける


「ならいいけど………」


「ほら、さっさと行こうぜ」


「うん……」


俺はさっきの潤一の言葉を思い出しながら遥香と駅までの道を歩いていく







■筆者メッセージ
ここからは前までと同じ視点になります
ライト ( 2016/04/08(金) 22:28 )