第11章 thunder
03







「行ったって?どういうこと?」


「あの日、アパートの部屋から2人が
出てきたのを見てしまって」


「…………」


「それで、一昨日のあの後
私ね橋本さんのアパートの下で
ずっと待ってたの………」


「待ってたってどういうこと?」


「あ……えっと
ごめんなさい」


思わず立ち上がってしまい
遥香はおびえた顔をする


「あえっと、怒ってないから
うん……大丈夫だから、続けて」


遥香はコクリと
頷いて話始める




「でもね、ずっと待ってたけど
帰ってこなくて、10時30分になっちゃてて」


「マジで………」


「…………」


「もしかしてだけど、あの寒い中
ずっと待ってたの?」


「うん………」


思わず「バカ」って
口から出そうになったけど
それを押える


それでか、それで
風邪なんかひいたのか



そこで、今朝の会話を
思い出す



あの時のごめんなさいは
そういうことだったのか



「それで、なんで
家に行ったの?」


「………」

遥香は俺のことをちらっと見ると
震えるようなか細い声で
話し出す



「だって、いくら聞いても……
龍くん、教えてくれないから」


「………」



「だから、橋本さんに直接聞こうと思って」



「聞くって?」



「あなたは龍くんの何なんですかって?」






嘘だろ?



俺は頭が真っ白になった










ライト ( 2016/02/22(月) 22:02 )