第1章
06
部室のロッカーを開けて
鏡を見る


そこに映る自分の顔は
冷ややかな目をしている


「やっぱり、お前はモテてうざいな」


「なんだよ、潤一
うらやましいのか」


「まぁ、うらやましいけど
もう言えばいいじゃん彼女いるって」

椅子に座っている潤一に
俺はため息が出た


「彼女じゃねーよ奈々未は」


「そしてら俺にも
順番がくるのによ」



潤一は俺が奈々未の家に行っているのを知っている


潤一の家は奈々未のアパートの
すぐ横に会って

俺が奈々未の家から出ていくのを
たまたまコンビ二に行っていた
潤一に見られてしまった



「でも、なんで隠すのかねー
いつも泊まってんのに」


「泊まってるだけ
だから俺は嘘をついてない」



一瞬驚いた顔をした潤一は
すぐにいたずらを思いついた
ガキみたいににやにやして


「ならそれは遊ばれてんだろ
大学生に」


「バーカ、俺が遊んでんだよ」


「ふーん、まぁいいや帰ろうぜ」


そして二人で部室を出ていく



「お!島崎お疲れー」


「うん、井上君と三上君も
お疲れさま」


校門に向かう途中に
ジャージ姿の島崎に出会った




さすがに島崎のことは俺でも
知っていて


バスケ部のマネージャーで
同じクラスだからだ


ふわっとした茶色の髪の毛で
人形みたいな感じ



島崎は男子の中にも人気があって

潤一が持っていた
査定の紙にも


正の数が多く書いてあったのを
覚えている





でもだからどうってこともなくて
俺にとっては関係ない関係だ


今の俺にとって女子って生き物は
煙たい存在だ


例えそれが島崎であっても














ライト ( 2015/10/27(火) 22:59 )