第1章
02
3階の角の部屋から
すぐ近くの階段をゆっくり降りていく



さむ!


マフラーをしっかりと巻き直して
ポケットに手を入れる
少し猫背になりながら


2月の空はすこし曇っていて
寒さが増す気がする



龍太は相変わらず冷たいなー


さっき言われた言葉を思い出した
別に俺は自分のことを
冷たいと思ったことはない




まぁ周りから見れば冷たく見えるかもしれないけど

ただ、あまり興味がない





少し歩いて駅の前から
俺と同じ制服を着た生徒の
中にまじる

大きな群れのような

その流れは同じ速度で
同じ道を歩き出した




腹減ったー



そのまま、コンビニ入ろうと
通学路にあるコンビニの前で止まった


「あの、三上君」


「……」


声がしたほうを見ると3人の女子が立っていた
その中の1人が告白するようだ

この1年で告白されてきて
だんだん慣れてきてしまった


「三上くん、好きです
もしよかったら付き合ってください」


「ごめん、俺今彼女ほしいとは
思わないから」



その答えに一気に
俺はその3人の視線が一気に集まる

「うん、うん分かった
ありがとう、私今年から受験勉強をしなきゃいけないから
最後に三上君に気持ち伝えたかったんだ
だから、ごめんね」


いつもはそのまま
無視していくのに、今日はさっき言われた
ことを思い出した


「先輩、それはごめんねじゃなくて
ありがとうですよ、俺なんかと付き合っちゃたら
勉強に集中できませんよ、だから勉強頑張って
大学行って俺よりかっこいい彼氏作ってくださいよ
まぁ、俺よりかっこいいのがいるかは
分かりませんけどね」


「うん、頑張る」


先輩たちはそのまま学校方面に
走って行った


コンビニに行くか迷ったが
俺も遅刻しないために
少しだけ急いで学校に向かう







ライト ( 2015/10/18(日) 19:26 )