関係者席で・・・
鶴木「うわ〜、すごいな。」
用意された椅子に座り、開始時間まで待っている。
周りを見れば、まだ誰も出ていないのにタオルを掲げている人やサイリウムを振っている人、隣と話している人等々いる。
俺は、ただ座って待っている。
関係者席にぞろぞろ人が入っている。
俺だけ身内じゃないんだけどな。
「あれ?鶴木くんだ。」
鶴木「あれ?梅澤さん?」
梅澤「来てたの?」
鶴木「さくらに来いって言われたんですよ。めちゃくちゃ言い寄られて。」
梅澤「あぁ〜、さくちゃん、鶴木くんのことを話す時、嬉しそうに話すからね〜。」
鶴木「そうなんすね。」
梅澤「あれ?気づいてないの?」
鶴木「何が?」
「あ、鶴木くんだ。」
鶴木「あ、与田さん。」
与田「うめ、鶴木くんと何話してたの?」
梅澤「ん?鶴木くんが、ちょっと固い人間なんだなって、話をしてたの。」
鶴木「え?警察官だからですよ。」
梅澤「ちがうんだよね・・・」
「梅と与田じゃん。それとその人は?」
与田「あ、山じゃん。」
鶴木「あ、えぇ〜と、山下美月さん?。」
「おぉ〜、正解。知っているんだ。」
山下美月さん。
乃木坂次世代エースとして活躍している。
ドラマやモデル、インスタも好調である。
山下「さくちゃんが、どんな人を連れてくるのかって思ってたけど、堅実な人だね。」
鶴木「警察官ですから。」
山下「ねぇ?」
鶴木「はい?」
山下「私と遊ばない?」
上目遣いをしながら、声をかけてきた。
鶴木「残念ながら、先客がいますので。」
山下「かった〜。」
「あんたたち、何しているのよ。」
梅澤「あ、飛鳥さん!」
鶴木「え、あれが?」
齋藤飛鳥
乃木坂を支え、この先も伝説を作っていく人物。
4期生や梅澤さんたちを見ているが、何かが違う。
飛鳥「さくらから話は聞いているよ。すごいんだってね。」
鶴木「いやいや、飛鳥さんには敵いません。」
飛鳥「ふ〜ん、よいしょ。」
鶴木「え?」
飛鳥「なに?悪い?」
飛鳥さんは、俺の隣に座ってきた。
鶴木「い、いえ、別に?」
飛鳥「そう。」
何か嫌な予感がする。