笑顔が絶えない警察官































小説トップ
第30章 はぶられ者
駐在さん
カラカラ〜!キィ〜!
「あ!駐在さん!おはよう!」
鶴木「おはようございます!」
自転車を漕ぎながら、パトロール。
山の中のためか、風が冷たい。
鶴木「・・・」
こっちに来て1ヶ月が経つ。
寂しいけど、今の勤務が合っているかもしれない。
「駐在さーん!!」
鶴木「おはよう!!」
〜〜〜〜
鶴木「本日も異常なし。」
ガタン!
「ワン!ワン!」
鶴木「プール、帰ったぞ〜。」
「ワン!ワン!」
わしゃわしゃする。
しば犬のプール。
身体を壊した人の前の人が飼っていた犬。
そのまま、この水根駐在所の番犬としている。
鶴木「・・・」
早川と金川は、こんな感じだったな。
「クゥー?」
鶴木「ん?なんもないぞ。飯にするか。」
「ワン!」
〜〜〜〜
鶴木「お疲れ様です。」
「お疲れ様です。」
鶴木「今日は、拾得一件だけです。これ、受け払いお願いします。」
「わかりました。明日、当直なので、お忘れなく。」
鶴木「ありがとうございます。では、あがります。」
事務引き継ぎをして、今日の業務を終える。
鶴木「はぁ〜・・・」
とりあえず、駐在に帰るか・・・
〜〜〜〜
ガララッ!
鶴木「ただい・・・」
誰もいない。
鶴木「前みたいな感じになっちまったな。」
台所に目をやる。
うっすらと彼女の姿が見える。
そして、こっちを振り向き、微笑む。
鶴木「・・・くそっ。」
まだ囚われているらしい。
けど、一生忘れられないだろうな。

満腹定食 ( 2023/06/04(日) 09:19 )