笑顔が絶えない警察官































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第30章 はぶられ者
退去
「では、この部屋は会社の方に報告しておきますので、これで終わります。」
鶴木「すいません、ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ、坂道のために色々とご足労かけました。」
鶴木「そんなことないですよ。あいつらの努力です。」
「いやいや、鶴木さんがさくら達に寄り添ってくれたおかげです。」
鶴木「いや〜、でも、あいつらを裏切る形になってしまったんですから。」
「異動は仕方のないことです。」
鶴木「それじゃ、あいつらが帰ってくる前に行きますね。」
「え、もう少し・・・」
鶴木「嫌ですね。」
「あ、はい。」
退去の日。
とうとうこの部屋とお別れだ。
4年くらいか?
長いこと住んでいたな。
マンションから出る。
鶴木「ありがとうございました。」
礼をする。
鶴木「鍵、渡しますね。」
「はい。では、さようなら。」
鶴木「はい。」
俺は、そのまま駅に向かう。
ゆっくり向かおうかな。
次は、平和なところがいいな。
〜〜〜〜
さくらside
金川「あ〜、疲れた〜。」
早川「鶴木さんの部屋でご飯食べよ〜。」
賀喜「餃子作る?ひき肉とキャベツはあったはずだよ。」
早川「時間かかるけど、やろうや!!」
いつもの帰り道。
何気ない会話。
普段通りです。
金川「さくちゃん!早く!!」
さくら「うん。」
鍵をさす。
ガチャン!
早川・金川「ただいまー!!!」
賀喜「2人とも元気じゃん。」
さくら「裕太くん。」
早川「あれ?おらん?」
金川「これ・・・」
机の上に手紙が置いてある。
金川「・・・」
賀喜「や、やんちゃん?!」
やんちゃんが手紙を見る。
金川「っ!!さくちゃん!!これ!!」
さくら「え、え?!」
[さくら、乃木坂のみんなへ
 俺は、今回の異動で西東京の田舎に行くことになった。ここからじゃ通えないから向こうに住むことになった。あと、駐在所に勤務だから、いつそっちに戻れるかもわからない。すまないけど、顔を合わせずに別れることにした。本当にすまない。約4年、ありがとう。そっちに戻れたら、また一緒に住もう。自分勝手でごめん。

    

   あと、さくら、大好きだよ。けど、その気持ちに答えられなくて、ごめん

              鶴木より]
さくら「そ、そんな・・・」
裕太くん、鶴木裕太は、私の前から姿を消した。

満腹定食 ( 2023/05/30(火) 20:54 )