笑顔が絶えない警察官































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第25章 立ち上がる心
震え
次の日
鶴木「お、俺が・・・ですか?」
杉下「そうです。鶴木くん、君があのヘリを止めるんです。」
鶴木「そ、そんなの・・・」
亀山「鶴木、お前しかいないんだよ。」
鶴木「え、えぇ・・・」
出勤してきたら、杉下さんと亀山さんにパトレイバーに乗るように説得されている。
鶴木「ま、待ってください。俺があのヘリを止めれるとでも・・・」
杉下「君は、1時間弱でパトレイバーの性能を引き出した。それに君しかパトレイバーを操縦できる人間がいません。」
鶴木「お、俺しか・・・」
確かに、暴走パトなっちんをパトレイバーで止めた。
パトレイバーは、戦闘終わりに限界が来て停止してしまったけど・・・
鶴木「今回、あのパトレイバーで勝てる見込みすらないのに、ヘリを止めろってめちゃくちゃですよ。俺に死ねって・・・」
亀山「おい、鶴木。」
鶴木「へっ。」
ドカン!ガタン!
鶴木「ぐわぁ!!な、何する・・・」
亀山「鶴木!右京さんが、本当は行かせたくない気持ちでいっぱいなのに、それを不貞腐れて聞くのは、ゆるさねぇーよ!」
亀山さんは、俺を殴った後にシャツを鷲掴みをして引っ張った。
杉下「亀山くん、やりすぎです。」
亀山「で、でも!右京さん!」
杉下「鶴木くん。」
亀山さんは、俺を離して後ろにさがる。
杉下「不貞腐れる気持ちはわかります。けど、パトレイバーを動かすことができるのは君だけです。あのヘリが暴れ回って君の大事な人を傷つけられたら、どうしますか?」
鶴木「・・・」
今は、不貞腐れている場合じゃないのはわかっている。
けど、パトレイバーを操縦して勝てる保証もない。
もしかしたら・・・
杉下「わかりました。もし、君が殉職してしまったなら、僕はここを辞めます。」
鶴木「え?」
亀山「そ、そんな!右京・・・」
杉下「ですけど、もし君が生きて帰ってきたら、鶴木君、君の希望する部署に推薦を出します。」
鶴木「・・・」
亀山「右京さん、そんなこと・・・」
鶴木「そんなの必要ないですよ。」
俺は、すぐ決める。
鶴木「希望の部署は特命係です。そして俺が、生きるか死ぬかは俺の行動次第です。」
俺は、腹を括る。
鶴木「あのヘリには借りがあります。絶対捕まえます。」
杉下「わかりました。すぐ連絡します。」
鶴木「はい。」
〜〜〜〜
30分後
鶴木「・・・」
身体の震えが止まらない。
今回は、本当に死ぬかもしれない。
それに今回は1人で死ぬことになる。
嫌だし、怖い。
1人になりたくない。
鶴木「・・・」
確か、さくらは仕事中だったけな・・・
携帯を取り出す。
[今日は帰れないかもしれない。
 晩飯は、いらない。]
これからしか送れない。
さくらの邪魔をしたくない。
鶴木「・・・」
指を動かす。
ビー!ビー!ビー!
「鶴木!来たぞ!!」
鶴木「今、行きます!!」
携帯を置く。
絶対生きて帰る。
そう誓ってヘルメットを持ち、走る。

満腹定食 ( 2023/04/09(日) 17:11 )