笑顔が絶えない警察官































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第24章 お姉さんが好き?
甘くてほろ苦い
鶴木「卒業するんすか?」
理佐「うん、決めたことだから。」
鶴木「そうっすか〜。」
理佐さんが卒業することは、菅井さんから聞いていた。
ちょっと名残惜しい。
芸能と関係のない俺が言うのもなんだけどな。
理佐「寂しい?」
鶴木「ただ応援している人間なので、言わないでおきます。」
理佐「強がらなくてもいいんだよ〜。」
鶴木「つ、強がってはいません。」
理佐さんに頬を叩かれる。
鶴木「それより、俺を呼び出して、何するんすか?」
理佐「ん?内緒。」
鶴木「え、えぇ・・・」
理佐「目的の場所には、近づいているからね。」
鶴木「怖いっすわ。」
理佐「あ?」
鶴木「っ!」
ドスの効いた声に身体が反応した。
怖すぎ・・・
〜〜〜〜
理佐「じゃ〜ん。」
鶴木「え、え?」
街角にある小さな写真館に着いた。
鶴木「し、写真ですか?」
理佐「そう、入るよ。」
鶴木「あ、はい。」
少しお香の匂いがする。
少し古い機材が並んでいる。
レトロって感じだな。
「若いの〜。もしかして。」
理佐「はい。この間、予約した渡邉です。」
店の中から、おじいさんが出てきた。
「うちの娘と家内が、準備しますんで、兄ちゃんは、こっちじゃ。」
鶴木「あ、はい。」
おじいさんの後ろについていく。
「これを着てください。」
鶴木「こ、これって・・・」
目の前にタキシードが飾ってある。
「あの女性からです。お願いできますか?」
鶴木「え、は、はい?」
まさかの・・・
〜〜〜〜
鶴木「こんなの初めてやわ。」
タキシードを着るのは、なんかまだ先だと思っていた。
以前と同様に髪は固めてある。
鶴木「ちょっときつ・・・あ。」
目の前には、白いドレスをきた理佐さんがいる。
理佐「どう?ウエディングドレスだと思った?」
鶴木「普通にそうじゃないんすか?」
理佐「結婚するわけじゃないんだから〜、子供だね。」
鶴木「う、うるせぇ・・・」
「お二人さん、写真を撮るので並んでください。」
鶴木「わかりました。」
理佐「じゃ、お願いします。」
「いきますよ。」
〜〜〜〜
鶴木「はぁ〜、なんか肩凝った。」
理佐「何もしてないくせに。」
鶴木「あぁいう服装は、好きじゃないんですよ。まぁ、色んな服装を着ているモデルさんとちが・・・あいた!!」
理佐「次、その言葉言ったら、わかるよね?」
鶴木「い〜、はい・・・」
脛を蹴られた。
めちゃくちゃ痛い。
理佐「写真渡すから、ここでお別れね。」
鶴木「そうっすね。じゃ、身体にきをつけて。」
理佐「ありがとう。じゃ。」
写真を受け取り、理佐さんと別れる。
そのまま、家に戻る。
理佐「・・・」
理佐さんは、その場にとどまる。
理佐「本当は、こうしたいよ・・・」
また叶わぬ恋が出てしまった瞬間である。

満腹定食 ( 2023/03/14(火) 22:00 )