仕事は・・・
鶴木「・・・」
トン!
杉下「チャックメイト。」
カン!トン!
鶴木「げぇ・・・」
杉下「ん〜、センスはなかなか良いんですけどね〜。攻め方が単調すぎますね。」
鶴木「い、いや〜、チェスなんて初めてやりますから、こんな攻め方しかできないですね。」
杉下「ですけど、チェスのルールを覚えて1日、ゲームを覚えて2時間とはすごいですけどね〜。」
亀山「俺の方を見ないでください。」
俺は、特命係でチェスをしている。
杉下さんに教えてもらって、相手をしてもらっている。
難しいが、杉下さんとチェスをするのは面白い。
だが、ほぼ同じ攻め方しかできない。
そのため動きが読めるらしい。
さすが、警部だな・・・
亀山「それより、鶴木君。」
鶴木「はい?」
亀山「スーツで来なくていいよ。ここは自由なんだから。」
鶴木「いや、ダメですよね?」
杉下さんはスーツで、亀山さんはTシャツとジーパンの格好で勤務している。
俺は、半袖とスーツの格好だ。
杉下さんはスーツだが・・・
杉下「良いですよ。鶴木君の好きなようにしてください。」
鶴木「わ、わかりました・・・」
本当は良いのか・・・
杉下「鶴木君、紅茶は入りますか?」
鶴木「あ、いただきます。」
杉下「では・・・」
鶴木「・・・」
杉下さんは紅茶を淹れ始める。
鶴木「・・・」
ジャ〜!!
いつ見ても芸術的だな。
綺麗な放物線を描いている。
杉下「はい、どうぞ。」
鶴木「い、いただきます。」
ズズッ!
鶴木「あ、うまい・・・」
杉下「鶴木君は、あまり紅茶を飲んだことないと思いましてね。初心者にうってつけの紅茶を淹れてみました。」
鶴木「なんか、ん〜、ふわっと来るような気がします。」
杉下「ほほぅ〜、その雰囲気を味わえるとは、すごいですね〜。」
鶴木「あ、あざっす。」
亀山「本当かよ。」
亀山さんは、コーヒー淹れる。
鶴木「本当ですよ!うまいし、なんか違うような・・・」
亀山「へぇ〜。」
杉下「亀山君、鶴木君をあんまり弄ばないように。」
亀山「はいはい、わかりました。」
鶴木「あ、あの・・・」
杉下「どうしましたか?」
鶴木「ここは、仕事って・・・」
亀山「ない。」
杉下「ないですね〜。」
鶴木「・・・ほんまっすか?」
杉下「はい、特命係は捜査権が剥奪されてますからね。」
亀山「それは、嘱託職員だから元々ないのよ。」
そ、そんな・・・
飼い殺しかよ・・・
鶴木「じゃ、この生活が続くんですか?」
杉下「そうとは限りませんよ。」
亀山「もしかしたら、捜査ができるかもよ。」
鶴木「・・・へぇ?」
杉下「楽しみに待っててください。」
鶴木「は、はい・・・」
角田「お、暇か?」
亀山「角田課長も暇っすね。」
角田「仕方ないだろ。」
これで1週間が過ぎた。
俺は、どうなるんだろうな。