笑顔が絶えない警察官































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第16章 銃口は誰に向ける?
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鶴木「ここか・・・」
GPSで落とされた地点に来た。
少し離れた倉庫が並ぶ所だ。
この倉庫が設置されている場所は10年前に殺人が起きて、今はほとんど使われていない。
こういうところに呼び出すのは、絶対に菅井さんを人質にしているはずだ。
鶴木「よし行くか。」
拳銃ホルスターに手を添えて歩く。
鶴木「うわ、明らかすぎだろ。」
3番と印字されている倉庫の扉が開いている。
誘っているんだろう。
鶴木「乗ってやるよ。」
慎重に、慎重に・・・
鶴木「・・・っ!」
バン!!
倉庫に入った瞬間に撃たれた。
銃を見た瞬間に右に飛んだ。
鶴木「あっぶね・・・」
「おぉ〜、避けたか。」
鶴木「てめぇ。」
あの時逃した犯人がいる。
その横には・・・
菅井「鶴木君!!」
椅子に縛られている菅井さんがいる。
鶴木「おい、銃を捨てろ。」
俺は、立ち上がりながら拳銃を取り出して構える。
犯人「ふん、一般人に毛が生えたような人間が、俺に立ち向かえるとでも?」
鶴木「あぁ、そこに助けを求めている人がいるからな。」
菅井「ダメ!逃げて!!」
鶴木「菅井さんっ!それは、無理な話だな!警察官としての義務だからな!」
犯人「バカだな。」
バン!
鶴木「っ!!」
次は左に飛ぶ。
相手はピストル。
俺はリボルバーだな。
弾は5発。
相手は、6発以上撃てる。
当たるなら1発で仕留めなければならない。
鶴木「くっそ!!」
犯人「ほら!ほら!どうした!!」
バン!バン!バン!
鶴木「っ!っ!っ!」
カン!カン!
犯人「おいおい、もっと走れよ。警察官だろ。」
鶴木「はぁ、はぁ、はぁ。」
柱に隠れて2発は逃れた。
鶴木「はぁ、はぁ、はぁ、くっそ。」
犯人の後ろには、縛られた菅井さんがいる。
外れてしまったら・・・
鶴木「やるしかねぇーか・・・」
カチャッ!
犯人「お?撃つのか?」
菅井「鶴木君・・・」
鶴木「やってやるよ!!」
犯人「待ってたぞ!若僧!!!」
柱から出る。
犯人「死ねっ!!!」
鶴木「っ!!」
バン!
犯人「何っ?!!」
バン!!
犯人「うぎゃぁぁぁ!!!」
鶴木「当たった。」
弾が当たり、右肩に血が飛び散る。
痛みに悶えて倒れ込んでいる。
鶴木「菅井さん!!!」
菅井「あっ!来ちゃだめ!!」
鶴木「え?!」
カチャッ!
鶴木「なぁ?!!」
後ろから・・・
保乃「い、いや・・・」
犯人「あはははっ!どうだよ!この女が銃を持っているのはよ!!」
鶴木「な、なんで!!」
銃を持った保乃さんが現れた。
保乃さんの首には、何かついている。
犯人「おっ、いいだろ。彼女の首飾り。このスイッチでバーンだけどな。」
犯人の右ポケットからボタンが出てきた。
押したら、保乃さんは・・・
保乃「うぅ・・・」
犯人「君が撃たれたら、その首飾りを外してあげよう。だけど、彼女にね。」
保乃「い、いや・・・」
保乃さんは構えることをやめようとするが・・・
犯人「おい!構えとけ!!」
鶴木「やめろ!!!」
保乃「うぅ・・・」
こんなどす暗い現場に来るはずがない。
俺ですら、こんな現場は経験がない。
鶴木「・・・」
犯人「さぁ、選べよ。俺を殺すか、彼女に殺されるか。まぁ、それができなければ縛られている女を・・・」
菅井「い、いや・・・」
菅井さんも恐怖で泣き始めた。
鶴木「そんなもんわかっているだろ。」
犯人「物わかりがいいポリ公だな。」
鶴木「ふっ、これだけは言っておく。」
犯人「あ?なんだ?」
鶴木「よ〜く、耳をかっぽじって聞いとけよ。」
これが俺の最後か・・・

満腹定食 ( 2022/11/18(金) 20:26 )