雨の日
鶴木「・・・」
さくら「・・・」
俺は、さくらの前で正座をしている。
さくらは腕を組んで仁王立ちをしている。
鶴木「あの〜、俺はなんで怒られているんですか?」
さくら「白石さんに続いて、菅井さんもですか?」
鶴木「・・・はい?」
さくら「菅井さんともヤッたんでしょ?」
鶴木「へ、へぇ?な、な、なんのことをい、言っているんですか?」
さくら「バレバレじゃん。」
な、なんでバレたんだ?
俺は、誰にも言ってないぞ。
さくら「言わなくてもいいよ。理佐さんから、聞いているから。」
鶴木「す、菅井さぁ〜ん。」
なんで言っちゃうんだよ〜。
さくら「私とは、行為はしてくれないのに。白石さんや菅井さんとだったらヤるんだね。」
鶴木「い、いや、そ、それは・・・」
さくら「浮気者。」
鶴木「ぐぅ・・・」
言葉の石が俺に降り注ぐ。
何も言えない。
さくら「子供だと思っているの?」
鶴木「そうだな、まだ子供かもな。」
さくら「どうして、そう思うの。」
鶴木「白石さんや菅井さんを見て、どう思う?」
さくら「お、大人だと思う。」
鶴木「だろ?さくらは、まだ子供って感じがする。大人の部分もあるのはある。けど、それを掻き消すくらい、子供の部分が目立つんだよ。」
さくら「だから、無理なの?」
鶴木「いや、できるさ。けど、今やってしまうとさくらが潰れてしまうと思ってな。」
さくら「・・・」
嘘は言っていない。
本当のことだ。
あとは、俺のヤる気だな。
鶴木「すまんな、今、さくらを潰してしまうと、全国民に殺されてしまうからな。」
さくら「それは、ダメだね。」
鶴木「だろ?けど、ヤるか?」
さくら「いや、鶴木君が私のことを大人って認めてくれた時にお願いするね。」
鶴木「あいよ。」
さくら「それに、鶴木君と一緒にいる時間が長いのは、私だからね。」
鶴木「はいはい。」
少し胸を張っている。
ドヤ顔もしている。
鶴木「ぷっ。」
さくら「あぁ〜、笑ったな〜。」
鶴木「わっはっは。で、どうする?」
さくら「ベットに行こう。」
鶴木「あいあい。」
俺とさくらは、ベットに向かう。
そのまま寄り添って寝る。
寝る前に雨が降る。
さくら「あ、雨・・・」
鶴木「いや、雨の音が子守唄代わりだ。さぁ、寝るぞ。」
さくら「うん。」
俺とさくらは、目を瞑る。
雨の音は、心地がいい。
いい子守唄だ。