笑顔が絶えない警察官































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第7章 夏の大騒ぎ
ごたいめーん
鶴木「・・・」
代々木駅に呼び出されて、ちょっと待っている。
3日前にさくらの携帯から田村さんに連絡が来た。
その内容は、お礼がしたいってことだそうだ。
だが・・・
鶴木「場違いだろ。」
新宿と原宿の間に代々木があるためか、お洒落な服を着ている人やスーツの人が多い。
俺は、紫のポロシャツに安く買ったジーパンで、ちょっと頑張って買った1万5千のスニーカーは履いている。
服には無頓着だが、こういう場所では浮くのは嫌いだ。
鶴木「まだかよ。」
「す、すいません!」
後ろから少し焦っているような声で、謝ってきた。
鶴木「あ、きた。」
可愛らしいワンピースにヒールを履いて、走ってきた。
手には、紙袋を持って。
保乃「はぁ、はぁ、すいません。仕事が押しちゃって・・・」
鶴木「まぁまぁ、しゃーないっすよ。で、ここに来たのは?」
保乃「行きたかったところがあるんで、そこに・・・」
鶴木「わかりました。じゃ、行きましょうか。」
保乃「はい!」
〜〜〜〜
鶴木「うっわ〜。」
レトロな喫茶店に来た。
雰囲気は、とてもいいが・・・
鶴木「ここですか?」
保乃「はい。」
場違いである。
鶴木「はぁ〜、よし。」
カランコロン
「いらっしゃいませ。」
保乃「2人です。」
「わかりました。奥の席に。」
テーブル席に勧められる。
鶴木「では、本題に入りましょうか。」
保乃「あ、そうですね。この間はありがとうございました。」
鶴木「いえいえ。それが警察官の義務ですから。」
保乃「それで、これを・・・」
紙袋を渡される。
鶴木「いやいや、いらないです。」
保乃「受け取ってください。」
「お水です。」
鶴木「あ、ありがとうございます。」
紙袋をそのまま受け取ってしまう。
あんまりこういうのは、いらないんだけどな。
「お決まりになられましたら、お呼びください。」
保乃「わかりました。あ、見てください。」
俺は、紙袋の中身を見る。
鶴木「あ・・・」
肩の部分と襟は白で、胴体は紺色のポロシャツが入っている。
保乃「それとピンクと白のポロシャツもあります。よかったら、着てください。」
鶴木「あ、ありがとうございます。」
なんか高そうだな。
どうするか。
保乃「い、いやでしたか?」
鶴木「いや、別に。ありがたいですよ。」
保乃「よかったです!じゃ、何食べますか?!」
鶴木「いや、敬語はいいですよ。年上ですよね?」
保乃「そ、そうですけど・・・」
鶴木「気を遣わなくていいですよ。さくらとは、こんな感じなんで。」
保乃「あ〜、じゃ、お言葉に甘えて。鶴木くん、何食べる?」
鶴木「そうだなー。」
コーヒーとナポリタンをご馳走になった。
ーーーー
次の日
さくら「・・・」
鶴木「どうした?」
さくら「ポロシャツ・・・」
鶴木「あ〜、もらった。」
今日は、ピンクと白のポロシャツを着ている。
さくら「それ、櫻坂のカラーだよ。」
鶴木「え?そうなん?」
さくら「うん。」

満腹定食 ( 2022/07/16(土) 15:53 )