元不良見習いの奮闘記







































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第7章 刻まれたもの
アイドルってすごい
角田「はぁ〜、客が来る気配がない。」
白村「すぐに戻るわけじゃないんだから、我慢しろ。それより包丁研いどけ。また切れ味悪いぞ。」
角田「へぇ〜い。」
あれから嫌がらせは、なくなったが客足は戻っていない。
多くて20人後半くらい入ればいい感じだな。
昼間は、サラリーマン達が食べにきてくれるからありがたいが、できれば夜に来て欲しい。
理由は・・・
植村「酒が出ないのは、痛いよな。」
白村「そうですね。来週あたりに定期で来ますからね。」
酒だ。
生樽が、溜まってしまうと痛いと大将が、愚痴っていた。
他にも酒は残っているから、できれば客に消費して欲しい。
角田「じゃ、給料の3分の1いらないので、酒くださいよ。」
白村「お前は、本当に懲りないよな?」
角田「えへへ。」
ガララッ!
植村「いらっしゃい。」
樋口「あちゃ〜、まだお客さん来てないんですね。」
星野「これは、酷いよ。」
今の店の状況は、人がいない。
高松「どこでもどうぞ。」
星野「じゃ、ここで!」
樋口「私も!!」
高松「げぇ、そこは・・・」
星野さんと樋口さんが座った場所は、俺が一品料理を作る場所が見える席だ。
星野「自由なんでしょ?」
樋口「だったら、ここでもいいよね?」
高松「・・・はい。」
俺は、自分の場所に戻る。
くそ、テーブル席に進めればよかった。
星野「それにしても、寂しいですね。」
植村「仕方ないでさ。ここから、お客が戻ってくると信じて待ちますよ。」
樋口「でも、これはちょっと・・・」
星野「あ、そうだ!」
樋口「どうしたの?みなみ?」
星野「ちまも協力してね!」
〜〜〜〜
30分後
ガララッ!
星野「あ、来た来た!」
高松「うわ、これは・・・」
角田「乃木坂フィーバーじゃん。」
星野さんと樋口さんが手分けして乃木坂メンバーを呼んでくれた。
堀「大将、お久しぶりです!」
鈴木「未央奈が、言ってたお店ね。いいところだね。」
寺田「いい雰囲気〜。」
和田「ねぇ、かなりん!いいところでしょ?!」
中田「本当にね。なーちゃんもいいって言ってたから行きたかったんだよね。琴子ちゃん、どこ座る?」
佐々木「花奈さんとは、違う場所に座ります。」
北野「あ、みなみちゃんの隣空いてる!!お先!!」
高松「えっと、どこでもどうぞ。」
樋口「まだ来るから貸切になるかも。」
笑いながら、樋口さんが答える。
角田「まじか〜。俺頑張っちゃうかも。」
白村「それを毎日やって欲しいんだけどな。」
植村「それより、どうしますか?貸切にになると思いますんで、こちらのお任せでいいでさ?」
星野「はい!お任せします!!」
樋口「みんな!いいよね?」
「は〜い!」「大丈夫で〜す!」
「楽しみにします!」
植村「わかりました。やるぞ。」
白村・角田・高松「へい!」
今日は、乃木坂さんが貸切状態で店を使ってくれた。
大将も白村も角田も、久々に生き生きしながら飯を作っている。
角田「かんぼう!ぼぅ〜とするなよ!」
高松「へ、へい!」
そのあと8人くらい来て、本当に貸切状態になった。
久々に売り上げがよかった。
ーーーー
次の日
昼の営業が始まる前に暖簾をあげると
高松「え?」
店の前に行列ができていた。
サラリーマンではなく、そんじょそこらにいる人たちが並んでいる。
「開きますか?」
高松「あ、はい。どうぞ。」
そのまま店に入れる。
半分くらい埋まる。
角田「こんなの初めてだな。」
白村「そうだな。かんぼう、お冷出してこい。」
高松「わ、わかりました。」
俺は、今入ってるお客にお冷を出す。
「あの、すいません。」
高松「なんでしょうか?」
「ここに乃木坂メンバーが来るって聞いたんですけど、本当ですか?」
あ、もしかして、ここ全員・・・
高松「それらしき人物は、お見掛けしていますが、本人かどうかわかりません。」
「そうですか〜、やっぱり来てるっぽいな〜。」
ビンゴだ。
昨日の星野さん達が、来たことを知ってここに来ている。
「すいませ〜ん!注文いいですか〜?」
高松「今から伺います!!」
乃木坂ってすげぇ。

満腹定食 ( 2021/10/10(日) 10:41 )